婚外子の相続差別は違憲【実践!相続税対策】第98号

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皆様、こんにちは。
資産税チームの高橋貴輝です。

先日、9月4日、最高裁大法廷で「婚外子の相続差別は違憲」という大変重要な判決が出ました。

新聞、ニュース等でも大変話題になりましたので、ご存知の方も多いかと思います。

今回は、この話題について、お話しさせて頂こうと思います。

ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

婚外子の相続差別は違憲

冒頭にも書きました通り、今回は婚外子の相続差別に関する最高裁判決について、お話していこうと思います。

まずは、このニュースをご存じない方のために、そもそも「婚外子って何?」「相続差別って何?」というところから、簡単にお話しさせていただきます。

「婚外子」というのは、正式な結婚をしていない男女の間に生まれた子供のことです。

法律上は、「非嫡出子(ひ、ちゃくしゅつし)」と呼ばれます。

※ちなみに、正式な結婚をした夫婦の間に生まれた子は「嫡出子(ちゃくしゅつし)」といいます。

では、この「非嫡出子」に対する「相続差別」とはどのようなものなのでしょうか?

民法では、各相続人の取り分の目安のようなものとして、法定相続分を定めています。

配偶者は2分の1で、残り半分をは子供が均等に分ける。などですね。

基本的に「子供は均等」なのですが、一つだけ例外があります。

その例外というのが、この「非嫡出子」の法定相続分なのです。

この「非嫡出子」については、「均等」ではなく、「嫡出子」の半分しか、法定相続分が認められていないのです。

これが、このニュースで言われている「婚外子の相続差別」です。

この内容は、民法900条4号の但し書きに規定されているのですが、この規定が、憲法14条1項「法の下の平等」に反するのではないかというのが、今回の裁判の趣旨です。

要するに、こういうことです。
 
親の結婚はきちんと法律で整備されています。
その、整備された法律の外で生まれた子供が非嫡出子です。

しかしながら、生まれてきた子供は、当然自分の意思で非嫡出子となったわけではありません。

そのような状況下で、嫡出子と非嫡出子の権利に差異を設けることが、はたして「法の下の平等」に沿っているのか?

ということですね。

同じような内容の裁判は、過去にも何度かありましたが、いずれも「合憲」とされていました。

にもかかわらず、今回「違憲」とされたのはなぜなのでしょうか?

理由はいくつかありますが、主だったものを簡単にご紹介いたします。

1.同法成立当時は、諸外国でも、嫡出子と非嫡出子に差異を設ける規定が多数存在したが、現在ではこのような規定があるのは、先進国の中では日本だけであること。

2.日本が批准している「児童の権利に関する条約」などに基づき、国連の関連組織から、同規定に関し、度々勧告をうけていること。

3.日本においても、住民票や住民基本台帳、日本国籍の取得などに関しては、嫡出子と非嫡出子の差異は、撤廃されていること。

4.家族、親子、婚姻などに対する国民意識が同法制定当初と比べて変化していること。

5.既に、直近の「合憲」判決でも『同法の合理性は、制定当初と比べて失われつつある。』とされていたこと。
  
などです。

少し、難しいお話ですが、簡単に申し上げると、『国際標準や時代の流れ、国民意識を総合的に考えると、違憲である。』ということなのですね。

判決文にもありましたが、相続制度は、国の伝統、社会事情、国民感情などを総合的に勘案し決められるもので、時代の流れとともにこれらに変化があったため、判決も変わってきたということなのです。

したがって、この裁判に関しては、人によって賛否両論あるのが自然だと思います。
 
日経新聞の、『嫡出子と非嫡出子の差を解消すべきかどうか』というアンケートでは、約6割が「解消すべき」で約4割が「現状のままで良い」ということになったようです。

皆様は、どうお感じになられたでしょうか?

以上となります。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

編集後記

この文章を書いていて、気付いたのですが、このメルマガも、もう第98号なんですね。
 
ということは、次に私が担当させていただくのは、記念すべき第100回目ということになります。

特に何か特別なことをする訳ではありませんが、なんかちょっと緊張してしまいますね。

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