名義預金にご注意!【実践!相続税対策】第92号

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
Gift

皆様、こんにちは。
資産税チームの高橋貴輝です。

先日安倍首相から、「消費税の増税は、経済情勢を見極めながら判断する」というコメントから発表されました。

もしかしたら、消費税の増税がなくなるということがあるのでしょうか?
でも、増税されないということは、景気が悪いということですから安易に喜んでばかりもいられないですが。

一方で、先日消費税増税を前提とした、「すまい給付金」のHPが、立ち上げられたようです。

今後も、このニュースからは目が離せませんね。

ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

名義預金にご注意!

今回は、名義預金についてお話をさせていただきたいと思います。

相続税の税務調査の際、申告漏れとして指摘されるケースがとても多いものが、この名義預金です。

それでは、名義預金とは一体何なのでしょうか?
 
例えば、お父さんが子供名義の預金口座を作って、その口座に毎年110万円ずつ贈与税がかからないように、お金を移していったとします。

ただし、これはあくまで相続税対策のために行っているもので、子供には浪費癖もあるため、口座があることは秘密にし、通帳も印鑑もお父さんが管理していました。

このような場合、当然、お母さんもこのような状況を知っているでしょう。

でも、もしお父さんが亡くなられた場合、相続税の申告にあたって、この子供名義の預金を、お父さんの相続財産として申告するでしょうか?

おそらく、ほとんどは申告しないでしょう。
 
それはそうです。

わざわざ、相続税を節税するために、贈与税の基礎控除110万円の範囲内で、ちゃんと子供名義の預金口座に毎年振込んでいたわけですから。

それは、普通の人の感覚では、生前に贈与した息子の財産です。

しかし、法律ではそのようにとらえません。これは、生前贈与したことにはならないのです。

「いやいや。ちゃんと子供名義の預金口座に振り込んでるんだから子供にあげたお金なんだよ。」

という話は、通用しないのです。

どういうことかといいますと、民法上、贈与というものは、
 
1.財産をあげる人が、「この財産をあなたにあげます。」

という意思があり、さらには、
 
2.もらう人についても、「はい。ではこの財産をあなたからもらいます。」

という意思がなければ、成立しないのです。

物の売り買いの場合でも、

お客さんの「この商品を買いたいです。」という意思と、

お店の「はい。では、この商品をあなたにお売りします。」

という意思の両方がないと、売り買いは成り立ちませんね。

贈与についても同じことなのです。

ですから、いくらお父さんが、「子供に毎年110万円ずつあげます。」と言って、子供名義の預金口座にお金を振り込んだとしても、

子供が「はい。もらいます。」と言わなければ、あげたことにはならないのです。

要するに、相手がいらないものは、法律上あげることはできないんですね。
 
したがって、今回の例の場合は、子供名義の預金の存在を知らせていなかったため、子供の「はい。もらいます。」

の意思はなかったと考えられ、贈与が成立しないこととなります。

贈与が成立しないのであれば、その預金は当然お父さんのものです。したがって、お父さんが死亡した際は、お父さんの相続財産に含まれることになります。

今回はここまでです。

次々回、第94号では、名義預金として認定を受けないようにするための対策や、

名義預金があった場合、相続財産から漏れないようにするための注意点などのお話をしていきたいと思います。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。

編集後記

この名義預金は、税務調査での指摘も多いですが、相続税の申告書を作成する際、名義預金についてご理解いただくのは、私どもとしても、とても苦労するものの一つです。

相続税の調査では、必ず家族名義の預金もチェックされ、その通帳や印鑑がどこにあるか、どの印鑑を使っているかなども、確認されます。

名義預金は税務署としても、目を付けているものの1つと言えますね。
お互いのコミュニケーション不足で、申告漏れなどにならないよう、私どもも、注意していかなければなりません。

メルマガ【実践!相続税対策】登録はコチラ
http://www.mag2.com/m/0001306693.html

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る