老人ホームへ入所した場合の小規模宅地等の特例【実践!相続税対策】第87号

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Wheel chair

皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
 
私の担当した第84号では、構造上の区分がある一棟の二世帯住宅でも、親世帯・子世帯が住んでいるすべてが、

居住用の小規模宅地等の評価減の対象になる、という話をしました。

ただし、5月31日に政令が公布され、区分所有建物の場合は、親世帯が住む部分に対応する敷地のみが、評価減の対象になる

ということが明らかになりました。

いわゆるマンションなどで、区分所有になっている場合は、

たとえ一棟の建物の中に、親世帯・子世帯が住んでいるとしても、親世帯の住む区分所有部分についてのみしか、評価減の対象にならない、

ということですね。気を付けましょう。

ということで、本日も「実践!相続税対策」行ってみましょう。

老人ホームへ入所した場合の小規模宅地等の特例

2013年度の税制改正では、老人ホームへ入所した場合の小規模宅地等の特例の取り扱いも、変更になっています。

たとえば、父が亡くなり、母一人となってしまった場合、日々の生活が不安であるため、母が老人ホームへ入ったとします。

この場合には、自宅は空き家になってしまいます。

そうするとその自宅は、居住用と言えるのかどうか、ということになります。

居住用であれば、その土地について80%の評価減を受けられますが、

居住用とみなされなければ、その評価減を受けることができません。

都心のような高い土地では、その差はかなり大きいですね。

坪150万円、敷地60坪ですと、評価額9,000万円ですから、その80%で、7,200万円も評価額が変わってきます。

税率30%だとすると、約2,000万円も!相続税が違ってきてしまいます。

老人ホームに入った場合に、居住用と認められるかどうかは、本年の改正前は、次の条件を満たせば、居住用と認められることになっていました。

1.介護のために入居したものであること

2.貸付けなど他の者の居住の用に供した事実がないこと

3.空家はいつでも生活できるように維持管理されていること

4.老人ホームは、所有権又は終身利用権を取得していないこと

特に、4の条件に引っかかることが多かったのです。
最近の有料老人ホームは、終身利用権があるものが多いからです。

そこで、本年の改正では、次のような条件になりました。

1.介護の必要のために入居したものであること

2.貸付けなど他の者の居住の用に供した事実がないこと

すなわち、上記3と4の条件がなくなった、ということですね。

これもようやく、税法が現実に追いついたのかな、とは思いますが。

ただし、介護の必要のために・・・と、ありますので、要介護認定、あるいは要支援認定を受けている必要があります。

また、老人ホーム等の施設は、具体的には次のようなものが、列挙されています。

・養護老人ホーム(老人福祉法20の4)
・特別養護老人ホーム(老人福祉法20の5)
・軽費老人ホーム(老人福祉法20の6)
・有料老人ホーム(老人福祉法29-1)
・介護老人保健施設(介護保険法8[27])
・サービス付き高齢者向け住宅(高齢者の居住の安定確保に関する法律5-1)
・認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居(老人福祉法5の2-6)

以上、この老人ホームへ入所した場合の取り扱いは、来年2014年1月1日以後の相続に、適用されることになっています。

編集後記

本年も7月1日に路線価が発表されました。ターミナル駅前や人気の住宅地では、個別に上昇した地点もあるようですが、都県別の路線価の増減率は、まだまだ下落が続いていますね。

でも地価が上がってきているのは、今年からですから、これが反映されるのは、来年以降の路線価だと思います。
相続税の増税もあるので、やはり来年以降は、東京などは相続税を払う人が、相当増えるのではないかと思いますね。

是非、できる対策、していきましょう。

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