相続人と法定相続人(応用編)【実践!相続税対策】第86号

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Life

皆様、こんにちは。
資産税チームの高橋貴輝です。

先日、平成25年度の税制改正にミスがあったというニュースを見ました。

バリアフリー改修工事に関する所得税の減税に関するものなのですが、この制度は、消費税増税の緩和策として、所得税の控除が拡充されたというものです。

本来であれば、拡充されるのは当然、消費税増税後でなければならないのですが、条文にある文言を入れ忘れてしまったため、もうすでに拡充されてしまっているそうです。

私たちにとっては、ありがたい話ですし、国側も今のところ是正はしない方針だそうです。

財務省官僚の方でもこういうことってあるんですね。
(担当の方は名前まで公表されて、きついおしかりを受けてしまったそうです。)

ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

相続人と法定相続人(応用編)

前回、第85号では、「相続人と法定相続人」について、相続税の計算上、「法定相続人」とは何なのかのお話をしていきました。

今回は、相続税の計算上、この「相続人」と「法定相続人」という言葉が、どのように使い分けられているのかをご紹介していこうと思います。

(「法定相続人」は、「相続人」とほとんど同じですが、「相続の放棄は無視する」ということでしたね。)

相続税の計算上、この2つの使い分けで、一番注意しなければいけないのは、何といっても生命保険金や死亡退職金の非課税の計算ではないかと思います。

私自身、相続税の受験勉強の際は、この違いがあやふやで何度か痛い目にあった記憶があります。

皆様は、生命保険金や死亡退職金を取得した際、一定の金額が非課税になるのをご存知でしょうか?

生命保険金も死亡退職金も同じ計算方法ですので、以下をご参照ください。

生命保険金の非課税金額は、次のように計算されます。

500万円×法定相続人の数

出てきました。「法定相続人」です。
 
これも前回の基礎控除と同様、相続の放棄をして、この非課税金額を大きくしようとするのを防止するために、「法定相続人」となっているのですね。

これだけなら、話は簡単なのですが、この非課税の適用を受けられる人は、「法定相続人」ではなく「相続人」なのです。

簡単な例でご説明いたします。

(亡くなられた甲の家族関係)

配偶者 → なし
子 → A(1人だけ)
親、祖父母 → 既に他界
兄弟 → X,Y,Zの3人

 
この場合、Aが相続の放棄をすると、相続人と法定相続人は、以下のようになります。

相続人 → X,Y,Z

※民法上の「相続人」は、子であるAが放棄をしており、親や祖父母もいないので、兄弟姉妹であるX,Y,Zとなります。

法定相続人 → A

※相続税の計算上の「法定相続人」は、「Aの放棄は無視」しますので、通常通りに子であるAとなります。

この場合、非課税金額は、「500万円×法定相続人の数」で500万円と、法定相続人Aだけの人数を使って、計算されます。

しかし、実際に非課税の適用を受けることができるのは、「相続人」であるX,Y,Zの3人となるのです。

このように、相続税の計算では「法定相続人」と「相続人」が違う場合には、注意しなければならない点が、他にもたくさんあります。
 
例えば、

(法定相続人に適用があるもの)

1.基礎控除額の計算
2.生命保険金、死亡退職金の非課税金額の計算
3.相続税の総額の計算
4.未成年者控除
5.障害者控除 など

(相続人に適用があるもの)

1.生命保険金、死亡退職金の非課税の適用
2.債務、葬式費用 
※葬式費用は、放棄をしていても実際に負担していれば控除できます。
3.相続時精算課税(直系卑属である推定相続人)
4.相次相続控除 など

以上、2回にわたって、「相続人」と「法定相続人」についてお話していきましたが、一言でまとめるとすると、

「相続の放棄をした方がいらっしゃる場合は、注意して下さいね」

ということです。

そうでない方は、ご自身で相続税を勉強される際の、用語の説明程度にお考え頂ければと思います。

以上、今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

編集後記

梅雨真っ只中ですが、あまり雨が降りませんね。
梅雨入りしたての頃は、天気予報などでは「今年は空梅雨」なんて言っていましたが、「空梅雨」ってそもそも梅雨なんでしょうか?
最近、ふと疑問に思ったので、書いてみました。
早く梅雨明けになるといいですね。

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