相次相続控除とは?(後編)【実践!相続税対策】第83号

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Calculator

皆様、おはようございます。
資産税チームの高橋貴輝です。

今回は、本文が長くなってしまいそうですので、早速、本題に入っていきたいと思います。

それでは、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

相次相続控除とは?(後編)

前々回、第81号では「相次相続控除とは?(前編)」ということで、太郎さん一家の例を使って、制度の概要と注意点のお話をさせて頂きました。

その際、「一部を控除」ということでお話しましたが...

一体「一部」ってどのぐらいなの?

と思った方もいらっしゃるかと思いますので、今回は、その計算方法について、詳しく解説していきたいと思います。

まずは、前回の太郎さん一家の例について、簡単に復習していきたいと思います。

1.太郎さんが亡くなり、妻の花子さんが財産をすべて相続しました。

2.その1年後、花子さんも突然亡くなってしまい、小学生の一郎君、二郎君が財産をすべて(半分ずつ)相続することになりました。

3.この場合、一郎君と二郎君が納付する相続税については、花子さんが、太郎さん死亡の際に納付した相続税額の一部を、控除することが出来ます。

...ということでした。

<計算式>

それでは、この例を基に、一郎君の相次相続控除額の計算式のご説明をしていきます。

計算式は...(いかにも難しそうですが、我慢して読んでみて!)

A × C/(B-A) × D/C × (10-E)/10

A:花子さんが納付した相続税額

B:花子さんが太郎さんから相続した財産の金額

C:一郎君と二郎君が花子さんから相続した財産の金額

D:一郎君が取得した財産のみの金額

E:太郎さんが亡くなってから、花子さんが亡くなるまでの年数
   
となります。

仮に太郎さんの財産を2億円とすると、A:540万円 B:2億円 C:2億円 D:1億円なります。

※今回は便宜的に未成年者控除は、考慮していません。

※配偶者が相続する財産は、法定相続分または、1.6億円まで相続税がかかりません。したがって、相続税が発生するよう太郎さんの財産は、2億円と、ちょっと多目にしています。

Eは、当然1年ですので、これを計算式に当てはめると一郎君の相続税からは、243万円控除することができることになります。

何の事だかさっぱり分かりませんね!

これは、どういう計算をしているかというと...

1.まず算式の全体を見てみてください。

花子さんが納付した相続税Aに、いろいろな分数がかけてあると思います。

これは、花子さんが納付した相続税額Aの内、いくら控除でできるか、を抽出するための計算です。

では、いったい何をAをから抽出しようとしているのでしょうか?

          
2.次に、C/(B-A) の部分ですが、まずB-Aについては、

花子さんが相続したB2億円から、A相続税額を引いていますね。

これは、要するに花子さんが相続した2億円から、相続税を引いた、一郎君達に残すことができる財産を、計算しています。

その内、一郎君達が相続した金額Cを、分子にもってくることで、花子さんが一郎君達に、何%の財産を残したのかを、計算しているのです。(100%が限度となります)

要するに、花子さんが払った相続税の内、一郎君達に残した財産に対応する相続税を、計算しています。

      
3.次に、D/C の部分についてですが、これは花子さんが子供2人に残してくれた財産Cのうち、一郎君が取得したD部分だけを、抜き出す計算をしています。

       
4.最後に、(10-E)/10 の部分ですが、Eというのは太郎さんが亡くなってから、花子さんが亡くなるまでの年数でした。

これは、この期間が短ければ大変なので、たくさん控除してあげるけれども、長ければ、そんなに控除しないですよ、ということです。

実際に、9年の場合と1年の場合を比べてみると、9年の場合は1/10しか控除してもらえませんが、1年なら9/10も控除してもらえる、ということになります。

以上となります。
難しい算式ですが、お分かりいただけましたでしょうか?
 
細かい注意点や、不合理な点も多い算式ですので、これ以上の解説は、割愛させていただきますが、計算式の意味自体は上記のとおりご理解いただければと思います。

大変長くなってしまいましたが、今回もお読みいただきありがとうございました。

編集後記

いかがでしたでしょうか?

相次相続控除を解説している本は沢山ありますが、算式の意味を説明した文章は、あまり見たことがありませんでしたので、今回のようなテーマを、取り上げてみました。

細かい計算は税理士さんに任せるからいいよ。

という方は、あまり気になさらないでいいかと思います。

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