実践!相続税対策
遺言書に関する民法改正が施行【実践!相続税対策】第370号
2019.01.23
皆様、おはようございます。
税理士の利根川裕行です。
最近、空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除に関する問い合わせが増えています。
この特例の適用にあたり、懸案事項であった、相続開始直前の居住要件が、本年度の税制改正にて緩和されることになりました。
その他、資産税絡みの税制改正項目について、2月8日(金)に開催されるセミナーにてご説明したいと思います。
ご興味があり、お時間のご都合が合う方は、是非ともご参加ください。会場にてお会いできるのを楽しみにしております!
では、本日の「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。
遺言書に関する民法改正が施行
昨年、相続に関する民法改正が決定されたことは、皆様、ご承知のことと思います。
その主な内容は、「配偶者居住権」「遺産分割」「自筆証書遺言」「遺留分」等に関する改正でした。
改正内容については、法務省のHP等で確認できますので、詳細はそちらをご確認していただければと思います。
この相続に関する民法改正の施行時期ですが、全部が同じ日に施行されるのではなく、項目によって異なります。
施行時期が早い順に、主だったものをまとめると下記のとおりです。
2019年1月13日:自筆証書遺言の要件の緩和
2019年7月 1日:遺産分割・遺留分などの改正
2020年4月 1日:配偶者居住権の創設
2020年7月10日:自筆遺言書の保管制度の創設
2019年7月1日の施行日がメインなのですが、既に、自筆証書遺言の要件緩和の改正については、1月13日に施行されています。
この改正施行により、今後、遺言書を作成する際には、自筆証書遺言を選択するケースが増えてくる、と見込まれます。
1月13日に施行された内容について、簡単にみてみます。
これまでは、遺言書を自筆で書く場合、記載事項はすべて、自筆としなければいけませんでした。
複数の不動産や預金口座がある場合、財産目録として、本文とは別に、別紙で添付することも可能でしたが、これもすべて自筆とする必要があり、遺言書を書くのに大きな負担となっていました。
今回の相続に関する民法改正で、この財産目録について、別紙として添付する場合に限って、自筆の必要がなくなりました。
つまり、財産目録については、ワードやエクセルなどで作成しても問題ありません。
さらに、不動産の登記事項証明書や預金通帳などのコピーを添付する方法でも構わない、ということになりました。
書くための負担がかなり軽減されたということですね。
ただし、別紙の全ページには、遺言者の署名・押印が必要となりますのでご注意ください。
さらに、その自筆遺言書の保管制度も創設されますので、自筆証書遺言の使い勝手が大変良くなりました。
ただし、自筆証書遺言書の保管制度の施行日は、2020年7月10日ですので、もう少し先の話しとなります。
したがって、まずは自筆証書遺言を作成しておき、その保管制度が施行されたら法務局に預ける、という流れになるでしょう。
法務局での保管制度と合わせると、公正証書遺言に近い形となります。
自筆証書遺言書のデメリットであった、紛失や変造のリスクがなくなります。
また、相続発生後に家庭裁判所の検認も必要ありません。
今後は、遺言書を作成する際に、公正証書遺言にするのか、自筆証書遺言にするのかの検討がしやすくなりました。
ただし、これまでと同様に、遺言書を作成する際には、必ず専門家に相談されることをお勧めいたします。
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講師:税理士 北岡 修一 税理士 利根川 裕行
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昨年12月14日、平成31年度の税制改正大綱が発表されました。
今年もまた、様々な改正がありますが、第1部では、資産対策・相続対策をご検討されている皆様に、是非、知っておいていただきたい改正項目をわかりやすくお伝えしたいと思います。
また、第2部では、今年の確定申告において特にご注意いただきたい点などを、いくつかピックアップしてお話したいと存じます。
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編集後記
年始は、地元、那須塩原市にいましたが、今や、パンの町となっているようです。那須への玄関口である黒磯駅周辺にも、評判のパン屋が何件かあるようなので、お越しの際には寄り道してもよいかもしれません。昔、高校時代に、部活終わりに食べていたカステラパンを思い出し、食べたくなりました。
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