養子縁組の検討は慎重に【実践!相続税対策】第342号

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皆様、おはようございます。
税理士の利根川裕行です。

7月2日に国税局から平成30年度の路線価が発表されました。

東京都内でいうと、前年比で平均4%の上昇です。都心部だけでなく、23区の周辺部にも上昇傾向が波及しているようです。

金額ベースで結構上がっている地域もありますので、これを機に土地評価額を再計算しておきたいものですね。

では、本日の「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

養子縁組の検討は慎重に

実際に発生した相続案件の中には、養子縁組により相続人となっているケースが結構あります。

たまに、相続税対策の一環として養子縁組を行ったケースにも、遭遇することがあります。

相続税対策で養子縁組を行った場合、相続税の節税効果は出ているのですが、却って遺産分割で苦労されるケースもありますね。

そのようなこともあり、今回は、養子縁組のメリットとデメリットについて、簡単にまとめておきたいと思います。

まずは、メリットから見ていきます。

すぐに思い浮かぶのは、法定相続人が増えることによる相続税の節税効果です。

1つは、法定相続人が増えることにより、相続税の基礎控除額が増えます。

基礎控除額は、3千万円+(6百万円×法定相続人)で計算される金額です。

この基礎控除額は、課税遺産の額から控除することができます。

また、生命保険金および死亡退職金の非課税枠が増えます。

これらの非課税枠は、それぞれ、5百万円×法定相続人の数 で計算された金額となります。

養子縁組により法定相続人が増えれば、この非課税枠も増えることになります。

相続人が受け取る死亡保険金や、死亡退職金については、この非課税枠の金額までは、相続税はかからないことになっています。

また、孫を養子にすることによって、相続による財産の移転について、一世代飛ばすことができます。

本来、2回の相続税申告を行うところ、1回の相続で済むことになり、トータルの相続税負担が減る可能性があります。

ただし、孫養子が遺産を取得した場合には、相続税が2割加算される、というデメリットもありますので、要注意です。

養子縁組による相続税対策は、手続後に、直ぐに効果が出るため、即効性があると言えます。

養子縁組の手続き完了と同時に、ほぼ確実に、節税効果が表れるというのが、養子縁組による節税対策の特徴です。

次に、上記に述べた相続税の2割加算以外のデメリットについて見ていきたいと思います。

1つには、相続人が増えるため、遺産分割協議がまとまらない可能性が増える、ということです。

いわゆる「争続」に発展してしまい、申告期限内に分割協議がまとまらず、相続税法上の優遇措置が使えないケースもでてきます。

そうなると、相続税額も却って増えてしまうことになります。

また、孫養子にする場合、孫が未成年だと、未成年後見人を選任しなければなりません。

その結果、家庭裁判所の関与もあり、自由な遺産分割ができない可能性もあります。

参考ですが、税法上、養子の人数には制限があります。法定相続人の数に含められる養子の人数は、下記のとおりです。

・被相続人に実の子供がいる場合、1人まで
・被相続人に実の子供がいない場合、2人まで

養子が実の子供とみなされるケースもありますが、このメルマガのバックナンバーをご確認いただければと思います。

最終的には、養子縁組のデメリットを考慮し、それでもメリットの方が大きいと判断できた上で、取り組みたいものです。

あくまで、相続税対策を行う上で、主に税法上の観点からまとめてみました。

編集後記

弊社の改装工事の際に、身の回りの荷物を整理したのですが、少し重い荷物を持っただけで、次の日、体がガタガタでした。筋力の著しい衰えを感じると同時に、少しづつでも体力強化の必要性を再確認しました。

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