事業承継税制が格段に使いやすく【実践!相続税対策】第317号

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皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

今回も平成30年度の税制改正の中から、相続に関するものを少し詳細に解説していきます。

本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

事業承継税制が格段に使いやすく

平成30年度税制改正のうち、今回は、新たな事業承継税制について、みていきたいと思います。

正直、今回の事業承継税制は、今までの事業承継税制は何だったのか、というくらい大盤振る舞いの税制になっています。

端的に言えば、事業承継における株式の贈与や相続には、税金をかけない、ということになります。

ただし、今年から10年間限定で、ということです。

事業承継税制には、株式を生前に贈与した場合と、相続により株式を取得する場合の両方が手当てされています。

10年間限定といっても、その間に相続が起こるとは限りませんから、基本は贈与から入る、というのが得策です。

事業承継をそろそろしなければと、考えている方は、今回の新事業承継税制を、是非、検討して欲しいと思います。

特に、事業承継計画を今年から5年内に出す必要がありますし、

その作成においては、認定支援機関(当法人も登録しております)の指導・助言を受ける必要もありますので、早目に検討を開始した方が良いかと思います。

さて、その改正内容ですが、1つは上限規制の撤廃です。

今まで、事業承継税制(贈与税や相続税の猶予・免除)の対象となる株式は、2/3までとなっていました。この上限が撤廃され、事業承継するすべての株式が納税猶予の対象となります。

また、贈与税は対象となる株式の贈与税が全額猶予されていましたが、相続税は80%までしか猶予されていませんでした。

これも100%猶予されることになります。

すなわち、贈与や相続で事業承継する株式は、すべて納税が猶予され、一定条件を満たせば免除される、ということになります。

さらに、今までの事業承継税制は、1人の先代経営者から1人の後継者へ贈与や相続される場合が、対象になっていました。

それが新たな事業承継税制では、後継者は3人まで認められることになります。

ただし、後継者は全員代表権があること、同族で過半数を持つ同族関係者であること、議決権割合上位3位までであること、それぞれが議決権割合10%以上保有すること、などの条件があります。

当然、事業承継計画に書いておく必要があります。

また、新たな事業承継税制では、先代経営者からの贈与だけでなく、他の者からの贈与も納税猶予の対象になります。

先代経営者からの株式の移行に加えて、分散している株式を後継者に集約することも容易になってくる、ということです。

事業承継税制が使いにくかった要因として、事業承継後5年間平均で、雇用を8割維持しなければならない、という要件がありました。

この要件を満たせないと、猶予している贈与税・相続税を一括で納めなければならない、ということでした。

この要件も緩和され、8割を切ったからといって、直ちに納税猶予が打ち切られるわけではなく、認定支援機関の指導・助言に基づいて、その理由の報告をすれば、納税猶予の継続が可能となるよう改正されています。

これで大きな懸念事項がなくなったわけです。

もう1つ、事業承継した株式を売却した場合や、廃業した場合は、事業承継時の評価に基づいた納税猶予額を納付する必要がありました。

これも新たな事業承継税制では、売却額や廃業時の低い評価額を基に、納税額を計算すればよいことになりました。猶予額との差額は、免除してくれる、ということです。

これも万が一の場合の安心材料ですね。

ということで、しっかりとした計画さえ立てれば、事業承継は無税で行うことができる、ということです。

10年間という期間限定でありますので、まずはいつ誰に事業承継するか、それに合わせて贈与をどのようにするか、などを考えていくことです。

10年内に贈与をしておけば、10年先以降に相続が起こっても、事業承継にかかる税金は猶予されることになります。

逆に言うとこの10年で、新事業承継税制に基づいて贈与をしておかなければ、10年先以降に相続が起こった場合には、多額の相続税がかかってきてしまう、ということになりかねません。

事業承継を考える方は、この5年、10年が非常に大切になってきますね。

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編集後記

昨日は私どもの主催するビジネス交流会で大いに盛り上がり、いい気持ちで帰ってきましたが、家に着く途中で後ろからグッと腕をつかまれビックリ!何と妻でした。やはり会合で遅くなったのですが、どうもずい分フラフラ歩いていたようで、危なっかしかったようです...ちょっと飲み過ぎでしたかね(笑)。

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