実践!相続税対策
遺言書が必要な場合【実践!相続税対策】第304号
2017.10.18
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
今日は東京は久しぶりに晴れて、スッキリした天気ですね。
それにしても、先週末から本当に長い雨でした。でも、明日からまた長雨になる予報も出ていますが...。
では、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。
遺言書が必要な場合
相続対策などで、遺言書を書いた方が良い、という話はよく出てきます。
特に争族にならないために、必要だということですね。
ただ、多くの相続に関わってきましたが、遺言書があるケースは少ないですね。感覚的には2割くらいでしょうか。
では、遺言書がない8割は争族になったかというと、ほとんどはたとえ円満でなくても、遺産分割協議が整っています。
むしろ、遺言書があって、その内容が不平等で争いになるケースの方が多いかも知れません。
遺言書を書くなら、争いにならないように書く、ということが大事ですね。
では、遺言書を書いた方がよい、というケースはどのような場合でしょうか。
まず、すぐ思いつくのは、子供がいない場合です。
配偶者は常に相続人になりますが、子供がいない場合は、第2順位で親が入ってきます。
ただし、親は既に亡くなっていることが多いですから、第3順位として、配偶者と兄弟になってきます。亡くなった方の兄弟姉妹ですね。
兄弟も亡くなっていると、その子供、すなわち甥や姪が相続人になります。
兄弟でもどうか、ということもありますが、甥や姪になると、やっかいな問題が起こることが多々あります。
やはり自分が亡くなったら、子供がいなければその財産は全部配偶者にあげたい、というのが普通でしょうから、その場合には遺言を書いておかないと、そうはならないのです。
兄弟や甥姪には、遺留分はありませんから、全ての財産を妻に相続させると、遺言に書いておけば何の問題もありません。
さらに、遺言書を書いておきたいケースは、分割できない、分割しない方がいい財産しかない場合です。
その代表的な財産は、自宅と自社株ですね。
主な財産が自宅しかない場合は、自宅はやはりそこに同居していたあるいは住む相続人だけの名義にすべきです。
自宅を共有すると後々必ず問題になりますし、遺言がないと、売却して現金で分ける、というようなことにもなってしまいかねません。
自社株の場合は、できるだけ生前に対策を取っておくことが望ましいですが、経営している間はある程度持っておくことも必要です。
自社株が後継者以外に相続され、後継者と兄弟仲が悪かったりすると、会社経営に影響を及ぼしてしまいかねません。
やはり自社株は後継者に相続させるよう、遺言があった方がいいですね。
また、相続人以外に財産を渡したい場合も、遺言が必要です。よくあるのは子供の妻ですね。
息子が先に亡くなってしまった場合など、その後、自分の面倒をよくみてくれた息子の妻には、是非、財産を相続させたいものです。
そのような場合には、遺言が必要になってきます。
さらに、配偶者の連れ子など、実子同様に一緒に暮らして来たけれども、相続人ではありません。
他に子供がいない場合には、もし、遺言書がなければ、兄弟あるいは甥や姪に財産がいってしまいます。自宅にも住み続けられなくなるかも知れません。
このような場合にも、是非、遺言が必要ですね。
自分が亡くなった後、自分の財産はどのようになるだろう、ということを、よくよく考えてみて、問題がありそうであれば、是非、遺言書を書くことをお奨めします。
編集後記
昨日は、私どもで行っているビジネス交流会で、出口治明氏の講演会を行いました。大変考えさせられる、味のある講演会でした。常識に凝り固まっている自分を発見させられますね。
「縦、横、算数」で世界を見れば、どうすればいいか正解が見えてくるというのが、何となくではありますが、わかったような気がします。まずは実践をしてみたいと思います。
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