実践!相続税対策
未分割の場合の不動産収入【実践!相続税対策】第297号
2017.08.30
皆様、おはようございます。
資産税チームの宮田雅世です。
8月も終わりですね。
予報では、今年の夏は猛暑といわれていましたが、8月は雨が多く、天気の急変も多かったように思います。
残暑はどこまで続くかわかりませんが、体調管理を整えて暑い夏を乗り越えていきたいと思います。
では、本日の「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。
未分割の場合の不動産収入
第294号で、申告期限までに遺産分割が整わない場合の相続税の申告について掲載しました。
今号では、その申告期限までに遺産分割が整わない場合で、かつ、財産に賃貸物件があった場合の取扱いについてをみていきます。
被相続人が生前、賃貸不動産の収入を得ていた場合、毎年不動産所得の確定申告をしているかと思います。
相続税の申告期限までに、遺産分割が整わなかった場合でも、この賃貸収入がある場合は、確定申告をする必要があります。
ただ、未分割であった場合、誰が申告をしなければならないかが問題となります。
遺産が未分割であっても、賃貸収入は契約が続いている限り、毎月入金があるはずです。
この場合、相続人のどなたかが代表して、不動産管理を行っているのではないでしょうか。
このようなケースであっても、管理を行っている者が代表して申告するわけではありません。
遺産分割が整うまでは、相続人が共同で所有していることになるため、相続人全員が法定相続分で申告する必要があります。
たとえば、相続人が配偶者と子2人の場合、配偶者が2分の1で、子はそれぞれ4分の1づつの相続分になります。
この割合で、収入および必要経費を按分して申告することになります。
また、分割協議が成立した後については、当然、その相続財産を取得した者の収入となります。
上記のように相続人が3人の場合、分割協議の結果、その内の1人が不動産を取得したとすれば、分割協議成立後の収入は、その取得した者の収入となり、その者が申告することになります。
ただし、分割協議が成立する前の収入については、相続分で共有のまま変わらず、遡って申告をし直したり、相続人間で収入の精算をするものではありません。
なお、現実的には、所得税の確定申告前に、遺産分割が成立した場合に、不動産を取得した者が、分割前の収入も含めてすべての収入を申告していることもあります。
原則は、分割前は共有、分割後に初めて単独所有、ということではありますが、すべての収入を分割で取得した方が申告をしても、特段、税務署からクレームがついたことはないですね。
税務署としては、きちんと申告してもらえばOKということなのでしょうね...。
編集後記
「今週の一本」は「スパイダーマン・ホームカミング」です。
スパイダーマンは、主人公を演じる役者がすでに3人目です。アメコミの面白いところは、同じキャラクターでも、原作者によって話や設定が異なるところです。日本では考えられないですね。
原作によって、設定も異なるので、映画もそれにあわせて作られると、ストーリーも変わってきますよね。どのストーリーが面白いか比べてみるのも楽しいかもしれません。
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