住宅取得資金贈与は、順番が大事【実践!相続税対策】第280号

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皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

5月に入りいい季節になってきましたね。

今日は少し時間があるので、いつもと違った書き方でいきたいと思います。お楽しみに!

では、本日の「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

住宅取得資金贈与は、順番が大事

住宅取得資金贈与、このメルマガでも何度か取り上げています。

消費税が10%になるまでは、一般の住宅で700万円、長期優良住宅などでは1,200万円まで、非課税になる贈与です。

20歳以上の方が、住宅を建築したり、購入したりする時に、親や祖父母から受ける贈与が対象になります。

この贈与を使って、住宅を建てる方が結構多いですね。よく使われている制度です。

非課税でマイホームの資金を援助してもらえること、また、親や祖父母の相続税対策にもなることから、利用の頻度が高いのでしょう。

さて、この住宅取得資金贈与の非課税特例、順番を間違えると、特例が受けられなくなってしまうので、要注意です。

何の順番かと言えば、お金の流れの順番です。

以下、事例で考えてみたいと思います。

Aさんは、ある建売物件を気に入り、それをマイホームとして購入しようと計画しています。

価格は、総額5,000万円で、土地を購入して住宅(長期優良住宅)を建築することになります。

資金は、自己資金500万円、父親からの贈与資金1,000万円、残りの3,500万円は住宅ローンを使う予定です。

手付金の200万円は自己資金から払い、中間金1,000万円は親からの贈与で支払う予定です。

残金の3,800万円は、自己資金300万円と、住宅ローン3,500万円を実行してもらい、それで支払う予定です。

ところが、中間金を払う段になって、父親から、贈与する1,000万円について、上場株を売って振り込む予定だったが、今は相場が悪いので、少し待って欲しい、という連絡が入りました。

慌てたAさんは、残っている自己資金300万円と、妻の預金および妻の父親からお金を借りて700万円を何とか調達し、中間金1,000万円を支払いました。

父親からは、残金支払前にようやく株を売ることができた、ということで、お詫びということも含めて、1,200万円贈与をしてくれたのです。

1,200万円までは、非課税になるということで、Aさんは大変喜び、奥様や奥様のお父様に多少の利息をつけて、借りた700万円を返済しました。

住宅ローン3,500万円も無事におり、父からの贈与資金の内の300万円を加えて、残金3,800万円を支払うことができました。

これでAさん夫婦は、念願のマイホームを手に入れたわけです。

その上、余分にもらった200万円で新しい家具なども購入することができて、万々歳です。

後は、翌年3月15日までに、住宅資金贈与の贈与税の申告と、住宅ローン控除の申告をすれば、一連のマイホーム購入手続きは、終了です。

しかし、申告する段になって、住宅取得資金贈与の特例が満額使えないのでは、という指摘を税理士から受けました。

贈与と支払いの順番が違う、というのです。

Aさんの場合、本来、中間金を支払うのに贈与を受ける予定でしたが、中間金は自己資金や身内からの借り入れでまかない、最後の残金支払の前に、贈与を受けました。

この場合、贈与を受けたお金で、住宅取得資金に充てたのは、最終残金3,800万円の内の、300万円だけです。

残りの3,500万円は、住宅ローンでまかなっています。

したがって、この場合には、住宅取得資金贈与の対象になるのは300万円だけだ、というのです。

贈与を受けた1,200万円の内、最終残金にあてた300万円を除いた900万円の使途は、妻と妻の父への返済700万円と余分にもらった200万円が手元に残っています。

この借入金返済の700万円分と、手元に残っている200万円は、住宅取得資金の贈与ではなく、通常の贈与だということなのです。

Aさんはビックリしました。まさか非課税が使えない、とは思ってもいませんでした...。
こんなことなら、株で損しても約束どおり贈与してくれと、父親に強く言うべきだったと...。

でも、もう後の祭りです。
900万円が通常の贈与だとすると、110万円を引いた790万円に対して、147万円もの贈与税がかかってしまいます。

余分にもらった200万円も、家具その他に使ってしまいましたので、この負担は正直キツイです。

住宅取得資金贈与の特例は、贈与を受けたお金を、住宅の建築や購入に充てた場合に、適用があります。

先に借入をして建築代金を支払い、後で贈与を受けてその借入金を返済するような場合は、住宅取得資金の贈与にはなりません。

同様に、本人が自己資金で立替えて建築資金の支払いをし、後に贈与を受けたお金で立替金を返してもらった場合も、対象にならないのです。

贈与を受けて、住宅取得資金を支払う、という順番でなくてはいけない、ということです。

Aさんは、非常に落胆しましたが、さすがそこは税理士、打開案を提示してくれました。

それは、相続時精算課税を使ってはどうか、ということでした。相続時精算課税であれば、2,500万円まで非課税になります。

住宅取得資金贈与との併用も可能です。

300万円は住宅資金贈与、900万円は相続時精算課税、この2つを使うことにより、Aさんは無事、非課税でマイホームを手に入れることができたのです。

ということで、めでたし、めでたし!

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編集後記

いかがでしたでしょうか。ちょっと小説風(全然なってないか(笑))に書いてみました。
それにしても、エライ時間がかかりました。いつもの3倍ですね。

最近、今さらながら半沢直樹、池井戸潤の小説を読んでますが、本当、面白いですね。よくあれだけ面白く、スリリングに書けるもんだと、感心してます。当たり前ですが、とても小説家にはなれないですね(笑)。

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