賃貸物件を相続した後の税務上の手続き【実践!相続税対策】第271号

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皆様、おはようございます。
資産税チームの利根川裕行です。

確定申告時期の真っ只中ですが、先日、相続税の申告書を提出しに税務署に行ってきました。

実は、相続税の申告書だけは、電子申告に対応していないのです。

確定申告書の提出開始時期だったので、混んでいるのかと思ったのですが、そこの税務署はまったく混んでいませんでした…。

意外な感じでしたが...ただ、やはり、申告期限が近づくにつれ、ドンドン混んでくると思いますので、税務署に相談・提出に行かれる方は、早めに行った方がいいと思いますね。

では、本日の「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

賃貸物件を相続した後の税務上の手続き

今回は、相続対策というより、相続により賃貸物件を取得した後に、初めて確定申告を迎える場合の主な手続きを見ていきます。

相続人に係る税務上の手続きのお話しとなります。

結論を先にお話ししておきますと、被相続人が所得税および消費税について提出していた各届出書の効力は、相続人は引き継げないということです。

まずは、相続人が、賃貸物件を相続したことに伴い、初めて確定申告をする必要が出てきた場合です。

今まで、会社員だった方が、被相続人が営んでいた不動産賃貸業を引き継ぐ場合ですね。

被相続人は、毎年、確定申告を行っており、消費税の納税義務もあったと仮定して、ご説明します。

相続人の方は、最初に、被相続人が毎年提出されていた確定申告の控えを確認しましょう。

たとえば、不動産所得を計算するための決算書があるのですが、それが、収支計算書か青色申告決算書なのかを確認します。

収支計算書の場合は、被相続人は白色申告をしていたことになりますので、青色申告をするかどうかを、まず検討しましょう。

消費税の納税義務があるほどの規模であれば、白色申告のケースはほとんどありませんが。

相続人が青色申告を選択するには、青色申告承認申請書を提出する必要があります。

この場合、提出期限が大切なのですが、相続開始日がいつかで、下記のようになります。

・相続開始日が1月15日までであれば、その年の3月15日まで
・相続開始日が1月16日以降であれば、相続開始後2カ月以内

相続により、初めて不動産賃貸業を行う年度から、青色申告を行いたい場合は、上記の提出期限を遅れないようにしましょう。

被相続人が、既に青色申告を行っていた場合は、青色申告の承認の効力までは相続人に相続されませんが、申請書の提出期限が違ってきます。

相続人が、引き続き青色申告を行いたい場合は、下記の提出期限までに、青色申告承認申請書を提出する必要があります。

・相続開始日が1月1日~8月31日‥相続開始日から4カ月以内
・相続開始日が9月1日~10月31日‥その年の12月31日まで
・相続開始日が11月1日~12月31日‥その年の翌年2月15日まで

年の後半に相続が発生した場合には、注意する必要がありますね。

次に、消費税に関する届出については、特に簡易課税の選択や、課税事業者の選択について、注意する必要があります。

簡易課税は、2年前の課税売上高が、5千万以下である場合に、選択をすることができます。

簡易課税を選択することにより、納税額の計算を簡単に算出することができたり、納税額を抑えることも可能になります。

特に不動産賃貸業の場合は、簡易課税を選択した方が、原則課税の場合より、納税額が低くなるケースが多いですね。

被相続人が簡易課税を選択していても、相続人が引き続き簡易課税を選択するには、改めて簡易課税選択届出書を税務署に提出しなければなりません。

その提出期限は、青色申告承認申請書よりは余裕があり、その相続があった年の12月31日までとなります。

最後に、減価償却資産の償却方法の届出書を、被相続人が提出している場合もありますので、こちらも忘れないようにしましょう。

賃貸物件を相続した相続人が、初めて不動産賃貸業を営むことになるような場合は、届出関係で損をしないように、会計事務所に早めにご相談されることをお奨めいたします。

編集後記

「2017年をひらがな4文字で表すと」というサイトに自分の名前を入力したところ「すとれす」と出てきました...。
今に始まったことではないのですが、笑えました。

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