金庫株を活用した事業承継・相続対策【実践!相続税対策】第226号

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預金通帳

皆様、おはようございます。
資産税チームの利根川裕行です。
 
先日、ドイツには犬税が導入されている自治体があるという記事を見かけました。

それぞれの自治体の犬の頭数をコントロールする目的で導入されているようです。飼っている犬の頭数が増えるほど、税金も多くなる仕組みだとか。

日本の自治体でも犬税を導入しようと検討したところがありますが、徴収・管理コストが税収を上回るため、断念されました。

私はペットは飼っていないですが、愛犬家には、ちょっとハラハラするような記事でしたね。

では、本日の「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

金庫株を活用した事業承継・相続対策

金庫株とは自己株式のことです。

自社が発行する株式を、現株主から自社が買い取る場合に持つことになります。
 
取得目的・時期・回数に制限がなく、取得し保有し続ける(金庫に保管する)ことができるため、「金庫株」と言われています。

事業承継や相続対策として、金庫株を買い取る手法があるのですが、そのメリットは、次のとおりです。

・後継者が相続により取得した自社株式を、会社が買い取ることにより、後継者の相続税の納税資金に充てられる。

・後継者以外に分散された株式を、会社が買い取ることで、後継社に経営権を集中させることができる。

そこで、事業承継対策の一環で、会社が金庫株を買い取る際には、

・剰余金の分配可能額(金庫株もこれにあたります)を満たしているか?
・買い取るためのキャッシュがあるか?
・株主の方々は友好的か?

などを検討しなければなりません。

まず、金庫株の買取りは、剰余金の分配可能額の範囲でしかできません。
金庫株の買取りは、資本の払い戻しと同じで、配当と同じ扱いになります。

剰余金の分配可能額とは、簡単に言ってしまうと、貸借対照表の純資産の部から、資本金と各準備金を除いた金額を指します。

つまり、これまで累積されてきた税引後利益の合計額と考えるとわかりやすいですね。

赤字の期間が少し続いて、純資産の部の金額が資本金を割り込んいるような会社は、金庫株の買取りができないということです。

また、剰余金の分配可能額はあっても、実際の買取り資金がないということの方が、実は多いかもしれません。

そこで、剰余金の分配可能額と、金庫株の買取り資金の2つを満たす方法として、生命保険の活用があります。

すなわち、株主が亡くなられた場合に、相続人から金庫株として買取る場合です。

まずは、次のような生命保険に法人が加入します。

 契約者   :法人
 被保険者  :自社株買取り対象者 または 役員
 保険金受取人:法人
 
仮に、受取保険金1億円、支払保険料の1/2を損金にできる保険に加入していたとします。(実効税率は30%)

株主が死亡し、法人が保険金を受け取った場合、

5千万円(1億円×1/2)が雑収入に計上され、
3千5百万円(税引後=5千万円×70%)の分配可能額が増加します。

当然、1億円のキャッシュが法人に入金されますので、金庫株の買取り資金も確保できたことになります。

自社株を売却する株主からすると、相続後に、会社に株式を買取ってもらう方が、税務的には得策です。

通常、自社株の売却は、総合課税(みなし配当)となり、所得によっては税額が相当高くなります。

ただし、相続により取得した自社株の売却に関しては、譲渡所得課税になり、一律20%の税率となります。

また、相続税の申告期限から3年以内に譲渡をすれば、譲渡所得の計算上、相続税の取得費加算が使えます。(支払った相続税の一部が、譲渡益から引けるということ)

いざ、金庫株を活用した対策を実践しようとしても、会社の財務内容により、金庫株の買取りができないということがないよう、中・長期的な視野で対策を考えておく必要があります。

編集後記

ようやく花粉症の症状が落ち着いてきましたが、この間、花粉症だと思っていたら風邪だったときがありました。風邪でも花粉症の薬を飲んで直しました(笑)。

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