債務が多い場合の法定単純承認に注意【実践!相続税対策】第212号

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皆さま、おはようございます。
資産税チームの利根川裕行です。

私が担当するメルマガとしては、本年度初めての号となります。
本年も昨年同様、よろしくお願い申し上げます。

毎年、1月1日に目標をたてるようにしているのですが、本年は、シンプルに「健康」をテーマに取り組んでいきたいと思っています。

まずは、体重を適性値まで戻すこと。
私の場合、これにつきます(笑)。

ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

債務が多い場合の法定単純承認に注意

相続が発生した際に、最初に検討しなければいけないこと…。

それは、相続財産の状況把握の後に「相続の承認または放棄」をどうするか、ということになります。

相続人は、相続の開始があったことを知った日から3カ月以内に相続の承認または放棄をしなければなりません。

この3カ月間が考慮期間となり、この期間に相続財産の調査を行うことになります。

すでにご承知のとおり、相続放棄はプラスの財産も、マイナスの財産も、まったく相続しないというものです。

借金などのマイナスの財産が、プラスの財産より多い場合などに、相続放棄をするケースが多いかと思います。

相続放棄をするには、相続の開始があったことを知った日から3カ月以内に、家庭裁判所に申立てなければなりません。 

この期間を過ぎると、単純承認(プラスの財産とマイナスの財産の両方を相続すること)をしたものとみなされます。

この考慮期間である3カ月の間に、単純承認をしたものとみなされる「行為」を行うと、相続放棄はできなくなるので、注意しておく必要があります。

このことを法定単純承認といいます。

一旦、法定単純承認の事由に該当する「行為」があれば、その時点で、単純承認をしたものとみなされるわけです。

つまり、その後になって相続放棄することは認められないということになります。

では、法定単純承認の事由に該当する「行為」にはどのようなものがあるか、主だったものを見ていきたいと思います。

まずは、相続人が相続財産の全部または一部を処分したとき。

たとえば、死亡した父親の預金を引き出して、子供の学費に充てた場合は、財産の処分にあたります。

また、死亡した父親の自動車などを売った場合も、財産の処分に該当します。

当然、死亡した父親名義の預金を引き出して、相続人自身のために使ってしまうことも同じです。

次に、権利行使を行ったとき。

これは、死亡した父親が貸していたお金を、相続人が取り立てた場合などが該当します。

つまり、被相続人の債権の取り立ては単純承認とみなされます。

なお、相続財産から葬式代や火葬費用などを支払った場合は、遺族として当然の行為でもあるので、財産の処分にあたりません。

また、死亡した父親の契約した生命保険金を受け取った場合も、財産の処分にはあたりません。

生命保険金は、本来の相続財産でなく、受取人固有の財産となるためです。

父親の遺した借金の債権者から督促がきたので、父親の財産の中から支払った場合も、財産の処分に当たらないケースが多いです。

何気ない行為が、単純承認をしたとみなされ、後々相続放棄ができなくならないようにしないといけないですね。

特に、多額の借金がある場合などは、注意しないとその返済に追われることになりかねません。

そのような場合は、相続開始後の行為に、細心の注意が必要です。

編集後記

読者の皆さまも、本年度の目標をたてられていることと思います。
是非とも、目標達成に向けて、実りある1年となりますようお祈り申し上げます。

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