老人ホームの入居一時金の贈与【実践!相続税対策】第209号

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皆様、おはようございます。
資産税チームの高橋貴輝です。

皆様、ふるさと納税はされてますでしょうか?

だいぶ一般的にも定着してきましたが、来年度の税制改正では、企業版ふるさと納税も創設されそうです。

このふるさと納税を平成27年分として処理するには、当然ながら、年内に寄附をする必要がありますが、寄附方法には、銀行振込、納付書、クレジットカード決済等様々な方法があります。

この支払方法によっては、年内に支払いが完了せず、来年度扱いとなってしまう場合もありますので、年内に完了するのかよく確認してから行うようにしましょう。

ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

老人ホームの入居一時金の贈与

贈与税には、「扶養義務者相互間の生活費の贈与は非課税」という規定があります。

たとえば、親が子供の生活費を出す場合など(注)がそうですが、当然ながら、これに贈与税は課税されません。

これは、当たり前だから課税されていないのではなく、法律上、明確に非課税である、という規定があるから課税されないのです。

(注)厳密には、所得税の非課税との区分が必要ですが、少し複雑ですので、今回は、あくまで贈与税の非課税としてお考えください。

また、この規定の適用を受けるためのポイントは、2つです。

・生活に通常必要な金額の範囲内であること
・必要な都度贈与すること

したがって、たとえば「2年間海外留学する子供に生活費として500万円を一括で贈与した場合」や「子供に車をプレゼントした」などの場合は、この適用を受けることはできません。

また、生活するのに十分な収入がある子供に生活費を支給した場合も、非課税とはなりませんので注意が必要です。

では、夫が妻の老人ホームの入居一時金を支払ってあげた場合は、どうでしょうか?

よくある話かとは思いますが、実はちょっと注意が必要です。

これには、対照的な2つの事例(実際にあった事例)があります。

(事例1)
・入居一時金は、945万円
・妻は、高齢かつ要介護状態で自宅での介護が困難であった
・妻は、一時金を支払うためのお金を持っていなかった
・入居した施設は、
  種類:介護付有料老人ホーム
  居室面積:15m2程度
  サービス内容:通常の介護サービス
  施設内容:通常の老人ホームとしての施設

(事例2)
・入居一時金は、約1億3,000万円
・妻は入居当時60歳代であり、介護も必要な状況ではなかった
・入居した施設は、
  居室面積:100m2以上
  施設内容:プール、エステ、フィットネスルーム等あり

いかがでしょうか?

どちらが非課税で、どちらが課税されたかは、一目瞭然ですね。 
皆様の予想どおり、事例1が非課税で、事例2は課税されました。

やはり、事例2の場合は、その金額や施設の内容から「生活に通常必要なもの」とは認められなかったようです。

また、妻に介護が必要であったかどうかも「生活に必要であったかどうか」の重要な判断ポイントとなっているようです。

このように、扶養義務者間(親子間・夫婦間など)の生活費の贈与は非課税となりますが、あくまで「生活に通常必要な範囲内」のものに限られますので、十分な注意が必要です。

通常、このような夫婦間や親子間では、お金のやり取りや費用の負担は安易に行われがちですが、意外な落とし穴が潜んでいることは、しっかりと覚えておいていただきたいと思います。

事例1についても、妻が要介護でなく、老人ホームに入居する必要がなかったとしたら、贈与税が課税されていたかもしれませんね。

皆様も、もし、金額の大きな費用負担などをする場合は、念のため、事前に専門家に相談してから、行なうようにしてください。

編集後記

今年も残すところ、あとわずかとなりました。
今年は暖かいせいか、個人的にはあまり年末という感じがしないのですが、皆様いかがでしょうか?

冒頭のふるさと納税もそうですが、年内にやっておくべきことはしっかり済ませて、気持ちよく新年を迎えたいですね。
それでは、よいお年をお迎えください。

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