生命保険の契約者死亡による課税関係について【実践!相続税対策】第207号

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
GS169_L

皆さま、おはようございます。
資産税チームの利根川裕行です。

早いもので、今年も残すところあとわずかとなりました。

特に個人事業主の皆さまにおかれましては、年末までに、可能な節税対策のやり残しがないかなどを、見直されてもよいかもしれません。贈与実行の有無についても同様です。

会計事務所は年末調整業務を皮切りに繁忙期に突入してまいりますが、気を引き締めていきたいものです。

ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

生命保険の契約者死亡による課税関係について

生命保険の受取時の課税関係を考える際に、「契約者」「被保険者」「受取人」が誰かによって変わってくることは、皆さまご承知のことと思います。

両親と子供1人の3人家族を例に、復習をしておきたいと思います。なお、契約者=保険料負担者とします。

・「契約者」夫「被保険者」夫「受取人」妻の場合・・相続税

・「契約者」妻「被保険者」夫「受取人」妻の場合・・所得税

・「契約者」夫「被保険者」妻「受取人」子の場合・・贈与税

では、「契約者」夫「被保険者」妻「受取人」夫、の終身保険契約で、夫に相続が発生し、契約者を妻に名義変更した場合の課税関係は、どうなるでしょうか?

夫の相続発生時には、被保険者は妻であるため保険金はおりず、相続税は関係がない、と思われがちです。

しかし、夫が保険料を払っていたことにより、保険金をもらえる原資は積みあがっており、その保険契約を引き継ぐ権利が相続財産となります。

これを「生命保険契約に関する権利」といい、その相続税評価額は、相続時点の解約返戻金相当額となります。

この終身保険契約ついて、「契約者」を妻とし、「被保険者」妻、「受取人」を子、としました。

その後、妻に相続が発生した場合の課税関係はどうなるでしょうか?

この場合は、最初から妻が終身保険契約を締結していたものとして課税されます。

つまり、子が受け取った死亡保険金は、全額が相続財産となり、相続税の課税対象となります。

ただし、相続人の取得した生命保険金については、500万円×法定相続人の数までの金額は、非課税となります。

では、名義変更後、妻に相続が発生する前に保険契約を解約した場合は、どうなるでしょうか?

この場合も、最初から妻が保険料を負担していたものとして取り扱われます。

したがって、契約者である妻に解約返戻金が入りますので、保険料負担者である妻に、所得税(一時所得)が課されます。

なお、一時所得の計算は、以下の算式で計算されます。

(保険金-払込保険料総額-50万円)×1/2= 一時所得
※この金額が総所得に加算され、通常の所得税がかかります。

保険金から控除される払込保険料総額は、夫と妻が払い込んだ保険料の総額ということになります。

この契約形態は、妻に収入がない場合の二次相続対策として活用できます。
 
すなわち、収入のない方は、原則契約者となることができませんので、まずは夫が妻を被保険者とした保険に入っておきます。
当然、夫が保険料を負担しておきます。

その上で、夫が亡くなった後は、妻に保険を引き継がせる、ということですね。妻は夫から相続した他の財産もあるでしょうから、継続して保険料を払っていくことができます。

なお、平成27年度税制改正により、平成30年1月1日以後に契約者変更があった場合には、保険会社から税務署に支払調書が提出されることになりました。

すなわち、「生命保険契約に関する権利」の相続財産の捕捉がされやすくなる、ということですね。

編集後記

忘年会など飲む機会の多くなる月ですが、体調管理には気をつけたいものです。本年度、私の担当としては、今回が最終となります。来年度も、引き続き、「実践!相続税対策」メルマガを宜しくお願い致します。

メルマガ【実践!相続税対策】登録はコチラ
http://www.mag2.com/m/0001306693.html

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る