住宅取得資金贈与を受ける際の注意点【実践!相続税対策】第202号

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
相続

皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

11月に入りました。今年もあと2か月、個人の税金は暦年単位ですので、今年中にやっておくことがあるかも知れません。

よく考えてしっかりやるべきことをやっておきましょう。

 
ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

住宅取得資金贈与を受ける際の注意点

今年から、住宅取得資金贈与の非課税額が、上がっています。

この制度は、20歳以上の子や孫が、親や祖父母など直系尊属から、居住用家屋の取得に充てるために金銭の贈与を受けた場合に、一定の金額まで贈与税を非課税とする制度です。

今年は、一般の住宅で1,000万円、良質な住宅は1,500万円まで非課税となっています。

来年10月以降は、消費税率10%で契約した場合は、最高3,000万円まで非課税で贈与を受けることができます。

消費税率のアップによる住宅需要の落ち込みを緩和するために、かなり大胆な優遇措置となっています。

この制度を受けるためには、いくつかの条件がありますが、その中でも、所得要件には特に注意しておく必要があります。

それは、贈与を受ける者の合計所得金額が2,000万円以下であること、という要件です。

所得が2,000万円以下というと、通常は給与などの年収だと思い、2,000万円はいっていないから大丈夫、となりがちです。

ただし、その年に不動産などを譲渡している場合には、要注意です。その不動産などの譲渡所得も合計所得金額に入ってくるからです。

しかもその合計所得金額は、特別控除などを控除する前の所得です。代表的な例で言えば、居住用財産の3,000万円特別控除などがあります。

自宅を売って、特別控除により譲渡所得がゼロだった場合でも、合計所得金額はその特別控除をする前で見る、ということです。

これは、扶養控除や配偶者控除を受ける場合などの、所得要件も同じです。

もう1つ注意すべきは、上場株式の配当金がある場合などです。

上場株式の配当は、申告不要や申告分離課税などを選択することができます。

この場合、申告分離課税を選んでしまった場合は、これも合計所得金額に入ってくることになります。

所得が2,000万円ギリギリの場合、あまり意識せずに安易に配当金について、申告分離課税を選んでしまうと、住宅取得資金の贈与税が受けられなくなってしまう可能性があるのです。

贈与税の申告も、所得税の申告も、翌年3月15日までですので、ほぼ同時に、別々の申告書で行うことになります。

しかも2つの申告書は連動していませんので、申告ソフトを使っても自動的に要件の判定はしてくれません。

合計所得金額が2,000万円を超えていて、実は贈与税の非課税が受けられなかった...とわかるのは、税務署から問い合わせが、来たときということになります。

この時点ではもう取り返しがつきません。
贈与も終わっていますし、所得税の申告(分離課税の選択)も終わっています。

泣く泣く非課税であったはずの贈与税を払わなければいけなくなります。

上場株式の配当について、申告不要、すなわち申告をしなければ良かったのに....と後悔しても始まりませんね。

本当に税法は怖いなと思います。注意しないといけませんね。

編集後記

冒頭に書きました今年やるべきこととして、たとえば自宅を売った場合の3,000万円控除なども該当します。

というのも、3,000万円控除を受けられるのは、住まなくなってから3年を経過する日の12月末までに売った場合、という要件があるからです。

自宅は所有していたけれども、転勤などで別なところに住んでいる場合などは、3年を経過して年が明けてしまうと、その自宅を売っても3,000万円控除は受けられない、値上がりしていれば高い税金を払わなければいけない、ということになります。

そのような方は、是非、年内に売却を検討した方がいいですね。

メルマガ【実践!相続税対策】登録はコチラ
http://www.mag2.com/m/0001306693.html

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る