不動産所有会社設立のメリット・デメリット【実践!相続税対策】第191号

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相続

皆様、おはようございます。
資産税チームの高橋貴輝です。

最近テレビを見ていると、お笑い芸人で有名な吉本興業が中小企業になる、という話を耳にします。

なんでも、多額の損失が発生したため、その穴埋めのため、資本金を減らす、減資という手続きをとったそうです。

ダウンタウンの松本さんが、「中小企業って・・・」と嘆いていましたが、なにも、悪いことばかりでもありません。

税制上、資本金が1億円以下の法人を「中小法人等」と位置づけ、様々な税制上の優遇措置が用意されていますが、吉本興業もこれを受けるために1億円まで減資し、中小法人等となったようです。

似たような話としては、シャープも1億円まで減資するというニュースがありましたが、こちらは、各方面から「シャープのような大企業が中小企業の優遇措置を受けるとはけしからん!」という批判を受け、5億円までの減資で決着したそうです。

ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

不動産所有会社設立のメリット・デメリット

前回私(高橋)が担当させていただいた第188号より、不動産管理会社、所有会社のお話をしております。
 
今回は、不動産所有会社のメリットとデメリットの話をします。
賃貸不動産を、個人所有から法人所有にした場合です。

まずは、メリットを、箇条書きで簡単にご紹介させていただきます。

(メリット)
1.家賃収入の所得分散が可能となる。

2.法人から役員報酬として受け取ることにより、給与所得控除額の使用が可能となる。

3.給与を支払わず、法人に利益をプールした場合も、一般的に所得税率よりも低い法人税率での課税で済む。また、損失が発生した場合には、9年間の繰越が可能となる。

4.生命保険に法人で加入すれば、保険料全額を損金として計上できる。
(個人の場合は、保険料の一部が生命保険料控除できるにとどまる)

5.借入金利息の足切りがない(損失として繰越可能)。

6.株式として間接保有した方が、不動産の評価額が下がる可能性がある(評価減の対策のバリエーションが増える)。

7.不動産の値上がりが考えられる場合、値上がり益を抑制できる。

8.相続時に死亡退職金を支給することにより、非課税枠が利用できる。

次にデメリットです。

(デメリット)
1.会社設立費用などの初期費用がかかる。

2.不動産を法人で買い取るための資金が必要となる。

3.法人に不動産を売却した際、譲渡所得税がかかる可能性がある。

4.税理士報酬や、法人住民税の均等割り等、法人の維持管理コストや手間が発生する。

5.個人で不動産所得として申告する際に計上できる65万円控除が、適用できなくなる。

以上がメリット・デメリットですが、まず、不動産所有会社の代表的なメリットは、所得分散効果をはじめとした、所得税の減税効果です。

賃貸不動産を個人で所有している場合は、その家賃収入から得られる所得は、不動産所得として、所得税が課税されることとなります。

これに対し、法人で所有した場合には、家賃収入をオーナー自身の他、家族へ役員報酬という形で分配でき、家族に所得を分散させることができます。

この場合、オーナー一人の不動産所得として課税するよりも、低い税率で課税されることになります。
さらには、不動産所得にはない給与所得控除という控除を、家族全員分、受けられることになります。

また、役員報酬として分配せず、家賃収入を法人にプールした場合、法人税が課税されることとなりますが、この場合でも、一般的にオーナー個人の所得税率より、法人税率の方が低いことが多いかと思います。

これに対し、65万円控除の不適用や、維持管理コストの発生等のデメリットもあるため、まずは、これらを比較検討し、毎年の所得税の減税効果を得られるかどうかを、試算してみることが重要です。

また、相続税対策としても一定の効果を見込むことができます。

不動産所有会社を設立した場合、その不動産は、会社の株式という形で、間接的に保有することとなります。

株価計算の構造上、個人で不動産を直接保有している場合よりも、メリット6、7にあるように、評価額が低く算出される場合があるため、将来の相続税の節税効果が発生することがあります。

また、相続税対策としての最大のメリットは、何といっても死亡退職金の支給です。

賃貸経営で得た家賃収入は、最終的にオーナー個人の財産として蓄積されますが、個人でこのお金を持っていた場合、その方が亡くなった際、ダイレクトに相続税が課税されてしまいます。

しかしながら、家賃収入の一部を法人にプールしておき、相続発生時に死亡退職金として遺族に支給した場合、500万円×法定相続人の数の分は、相続税が課税されません。
(たとえば、相続人が4人の場合は、500万円×4人=2,000万円)

この効果が得られるだけでも、実行の価値があるといえるでしょう。

以上、不動産所有会社のメリット・デメリットを簡単に解説してまいりましたが、これらはあくまで一般的なものです。

その他、個人的な事情なども総合的に勘案し、綿密な計画の上、実行することが大切です。

編集後記

この原稿を書いている8月14日現在、世間はお盆休みまっただ中です。

弊社は交代でお盆休みをとっているのですが、今年は税理士試験の日程とも重なったためか、大部分のスタッフが休みを取っており、会社内がとても静かで、まったりとした雰囲気です。

たまには、こういう中で仕事をするのもいいですね。

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