二重身分とは?【実践!相続税対策】第179号

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
GS169_L

皆様、おはようございます。
資産税チームの高橋貴輝です。

最近、税務の業界では、マイナンバー制度が非常に大きな話題になっています。
 
この制度は、国民全員に関わってくる制度ですが、非常に重要な個人情報ですので、その取扱いは大変に厳重かつ煩雑なものになっています。

弊社でも、専門チームを組んで、顧問先様への支援も併せて、その対応に取り組んでいるところですが、全国的にまだまだ情報が出揃っておらず、みんなで様子をうかがっているというのが現状です。

このメルマガの読者の方にも、会社経営者の方もいらっしゃるかと思いますが、早めに情報収集、社内体制の整備、会計事務所との連携などの対応をしておいた方が、よいかもしれません。

ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

二重身分とは?

このメルマガでも度々登場しますが、相続のお話をする際、「相続分」という考え方が非常に重要となってきます。

相続税額も「法定相続分」に基づき計算されるため、この正しい把握は、非常に重要となってきます。

この「相続分」を考える際、相続人の中に養子縁組をされた方がいらっしゃる場合は、注意が必要となります。

たとえば、次のような場合です。

・被相続人 甲
・相続人  子A(既に死亡) ⇒ 孫C※
      子B

本来、相続人は、子Aと子Bですが、子Aが既に死亡している場合は、そのAの子供である、孫Cが相続人となります。
これを、「代襲相続人」と言います。

この場合、相続人は、孫Cと子Bの2人ということになりますが、「相続分」は、当然2分の1ずつということになります。

しかし、仮にこの孫Cが、被相続人甲と養子縁組をしていた場合は、どうなるでしょうか?

この場合、孫Cは、孫であると同時に、甲の子でもあるという事になります。とすると、相続人は、

・孫C(代襲相続人)
・子B
・養子C

の3人であると考えられ、「相続分」はそれぞれ3分の1ずつという事になります。
 
孫Cと養子Cは、当然同一人物ですので、Cの相続分は結果的に3分の2という事になります。

これを、タイトルにもあるように「二重身分」と呼びます。

それでは、次のような場合はどうでしょうか?

・被相続人 甲 ※甲には子がなく、親も既に死亡
・相続人  妻A
      弟B

被相続人に子がなく、親も既に死亡している場合は、配偶者と兄弟姉妹が、相続人となります。

このような場合に、仮に妻Aが甲の両親と養子縁組をしていたとします。

この場合、妻Aは配偶者であると同時に、甲の兄弟姉妹にもなります。とすると、相続人は、

・妻A
・弟B
・兄弟姉妹A

となる…

かと思いきや、先ほどの例とは違い、配偶者と兄弟姉妹の二重身分は認められない、とする判例や学説が有力となっています。

したがって、相続人は養子の有無とは関係なく、妻Aと弟Bのみとなり、「相続分」もそれぞれ2分の1ということになります。

この他、正式な婚姻関係にない男女の間に生まれた子供を、非嫡出子と言いますが、この非嫡出子と養子縁組をし、嫡出子とした場合も、非嫡出子と嫡出子の二重身分は認められないこととなっています。
 

このように、相続人の中に(被相続人との間に限らず)養子縁組をした方がいる場合は、相続分の計算が非常に複雑になりますので、必ず専門家に相談されることを、お勧めします。

編集後記

少し前の話ですが、5月からクールビズが始まりましたね。
クールビズが始まった当初よりも期間も長くなってきましたし、ネクタイ嫌いの私にとっては、うれしい限りです。

メルマガ【実践!相続税対策】登録はコチラ
http://www.mag2.com/m/0001306693.html

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る