扶養義務者間の贈与税の非課税について【実践!相続税対策】第177号

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皆様、おはようございます。
資産税チームの高橋貴輝です。

先日、NISAの利用状況に関する金融庁の調査結果が発表されました。

同調査によると、年代別の口座開設者数では、やはり60代、70代の方が大半で、20代にいたっては、わずか3.8%だそうです。

当初、若年層の投資参加が期待されたNISAですが、その点はあまりうまくいっていないようですね。

おそらく、NISA自体の問題ではなく、単純に若年層は、「お金がない」という事なのでしょう。

ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

扶養義務者間の贈与税の非課税について

皆様、教育資金の一括贈与の非課税という制度をご存知でしょうか?

これは、平成25年からスタートした制度ですが、当時ニュースなどでもかなり取り上げられたので、ご存知の方も多いかと思います。

制度の内容を、簡単にご説明しますと、信託銀行などに子や孫の名義でお金を預けておき、これを教育資金に充てた場合には、1,500万円まで贈与税を課税しないというものです。

この制度は、資産家の方の相続対策としての利用を中心に、平成26年9月時点で、7万6,000人以上の方が利用をされているようです。

やはり、祖父母が孫の教育資金を出してあげるという利用方法が多いようですね。

このように、何かとインパクトの強い制度ですが、この教育資金の贈与をご検討される際に、考えていただきたいことがあります。

そもそも贈与税には、「扶養義務者間の贈与税の非課税」という規定があり、生活費や教育費を負担するのは当たり前で、贈与税は、かからないことになっています。

扶養義務者とは、たとえば親、兄弟姉妹、祖父母、あるいは子などのことです。

あまりに当たり前のことなので、このような規定になっていることを、ご存じない方も多いのかも知れません。

生活費や教育費に贈与税がかからない、という規定を使う際のポイントは、以下のようなことがあります。

ア.生活費などに「必要な都度」贈与すること
イ.自分で生活費を稼いでいる方に対する贈与は対象外
ウ.教育費もこの制度の対象となり、義務教育に限られない
エ.祖父母が孫に対して行うものも対象となる

特に、アが重要で、たとえば子供が成人するまでの生活費、学費などを小学生のうちに「一括」で贈与し、あとはそこから払いなさいということでは、この規定の対象外となってしまいます。

あくまで、「一括」ではなく「その都度」という事です。

そして、教育費に限り、この「一括贈与」を可能にしたのが、冒頭の「教育資金の一括贈与の非課税制度」ということになります。

つまり、「その都度」の贈与で対応できるならば、「扶養義務者間の贈与税の非課税」でも十分大丈夫ということですね。

特に「一括贈与」の場合は、30歳までに使い切れない分は、贈与税が課税されてしまいますが、「その都度」であれば、そのようなリスクもありません。

また、「一括贈与」の場合は、冒頭にある通り一度信託をしなければならないため、それを払い出す際の手続き等の手間がかかります。

そう考えると「一括贈与」の非課税を使う理由は、教育資金を一気に贈与することによって、財産を減らす=相続税対策をすること、ということになりますね。

お孫さん、場合によってはひ孫さんの人数が多ければ、相当の額の財産を一気に減らすことができ、かなりインパクトのある相続税対策が可能になります。

そうでなければ、通常の「その都度」の教育費の負担をしてあげることで、構わないのですから。

他の家がやっているからと言って、無理して「一括贈与」したために、祖父母のお金がなくなって不安な老後になってしまった、なんてこともありますので...。

以上のとおり、制度のインパクトだけにつられず、非課税制度を利用するメリット、デメリットをよく検討して、実行されることが大切ですね。

編集後記

平成27年度の税制改正で、似たような制度として、結婚・子育て資金についても、1,000万円までなら非課税とする制度が、4月よりスタートしました。

近々、地元の友人が結婚することになりましたので、早速この制度のことも教えてあげようと思います。知ってるかな?

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