寄与分とは?【実践!相続税対策】第171号

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皆様、おはようございます。
税理士の後藤文(あや)です。

今日から新年度ですね。仕事も、学校も新たなスタート!

税法についても、4月を境に改正される点が多々あります。

年初にたてた決意が崩れている場合もあるかと思いますが(私がそうですが)、ここでまた心機一転、いいスタートにしていきたいものです。

ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

寄与分とは?

相続には、本来相続人が持つ法定相続分とは別に、寄与分という財産分割の概念があります。

寄与分とは、相続人の中に、被相続人の財産の維持または増加に特別の寄与(貢献)をした人がいる場合に、その者に対して、相続分とは別に財産を与える制度です。

相続人といえども、必ずしも被相続人と良好な関係があった人ばかりとは言えません。
 
また、生前にはほとんどかかわりのなかった相続人でも、いざ相続が発生すると、たちまち相続人としての権利を主張してくる人もいます。

反面、被相続人をずっと支え続けてきた相続人がいる場合もあります。

このような相続人間の事情を考慮しないまま、単純に法定相続分で財産を分けてしまうと、実情にそぐわない不公平な遺産分割が行われる可能性があります。

そこで、生前、被相続人に貢献してきた相続人については、その貢献度を寄与分として、優先的に財産を与える制度が、寄与分という制度なのです。
 

寄与分が認められる要件は、次の3つです。

1.「特別の寄与」であること

⇒通常の家族関係の中で、一般的と思われる貢献を超えた特別な貢献であること。
家族が療養看護にあたったとしても、それが家族として当然の義務の範囲内で行ったものであれば、特別の寄与とはいえない。

2.相続財産の維持・増加に相当する因果関係があること

⇒貢献があったとしても、それによる財産の維持・増加がない場合には、寄与は認められない。

3.貢献が無償であること

⇒貢献に対して対価が支払われている場合には、その精算が行われていると考えられるため、寄与分は認められない。
ただし、その対価が明らかに過少な場合は、認められる可能性もある。

したがって、妻が夫の療養看護に努めたとしても、それは家族として当然の義務であり、特別の寄与とはならないのです。

では、寄与分がある場合の、相続財産の計算をみていきたいと思います。

(計算方法)

・被相続人の財産の価額から、寄与分を控除したものを相続財産とみなします。

・その額に法定相続分を乗じて、各人ごとの相続分を計算します。

・寄与をした相続人については、その相続分に寄与分を加えた額をもって相続分とします。

(例)相続人    妻と子1人
   相続財産   5,000万円
   子の寄与分  2,000万円

イ.みなし相続財産
 5,000万円 - 2,000万円 = 3,000万円

ロ.各人の具体的相続分
 妻 3,000万円 × 1/2         = 1,500万円
 子 3,000万円 × 1/2 + 2,000万円 = 3,500万円

具体的な寄与分の額は、相続人間での協議により決定します。
ただし、協議で決まらない場合には、家庭裁判所で調停や審判を申し立てて、金額を決めていくことになります。

この寄与分の主張ができるのは「相続人」に限られています。
相続を放棄した者には、寄与分だけを主張する権利はありません。

また、内縁の妻なども同様で、どんなに貢献をしていたとしても自らの寄与分を主張することはできません。

なので、相続人以外の者に、財産を与えたい場合は、遺言書の作成をきちんとしておくことが大事です。

寄与(貢献)の度合いを金額にあらわすのは、かなり難しい話です。
誰の目からも明らかな寄与がある場合や、遺言などがある場合は、話もスムーズに進むかもしれません。

しかし、各々の相続人から、自らの寄与分の主張が出てきた場合には...折り合いをつけるのは大変です。

最後は、故人のことを思い、相続人どうしが理解しあう気持ちが大事なのだろうと思います。

編集後記

非常に暖かくなってきました。
桜も満開となっているところがたくさんありますね。
何といっても最近嬉しいのが、日が長くなってきたことです!
明るい時間が多いと、得した気分になります。

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