相続時精算課税の改正および注意点【実践!相続税対策】第166号

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確定申告

皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

あっと言う間に2月も最終週。確定申告真っ盛りです。
 
特に3月15日までにやっておかないと、適用が受けられない制度がありますから、早目にやっておくことが大事です。

中でも、相続時精算課税を使う場合は、金額が大きくなりますから、是非、注意して欲しいと思います。
 
 
ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

相続時精算課税の改正および注意点

皆様は、相続時精算課税というものを、知っていますか?

贈与の場合の制度ですが、親などの直系尊属から、子に財産を贈与した場合、最大2,500万円まで、贈与税がかからない、という制度です。

それだけなら、ビックリ仰天の制度ですね(笑)。

ただし、そう甘くはありません。

贈与の時に税金をかけない代わりに、その親が亡くなった時に、その贈与した財産を、相続財産に計算上加えて、それで相続税を計算してください、という制度です。

いわゆる生前相続みたいなもので、先に財産分与しておくけど、後で相続税を払いなさい、ということですね。

でも、親の財産が、相続税が発生しないくらいの財産であれば、贈与の時も、相続の時も、結局税金はかからなかった、ということになりますね。

この相続時精算課税の対象者は、昨年(2014年)までは、65歳以上の親から、20歳以上の子に対する贈与でした。

それが本年(2015年)より、60歳以上の親から、20歳以上の子および孫に対する贈与に、対象範囲が広がりました。

親の年齢が下がり、もらう方は孫が追加されたわけですね。

そこで注意点。この制度は、もらった時には税金はかかりませんが、親や祖父母の相続の時は、相続税がかかります。

その相続税を払えるか? というのが1つの注意点です。

ご存知のとおり、孫には相続権はありませんから、孫は相続では財産をもらえません。ですから、過去の精算課税贈与を受けた財産の相続税だけがかかってくることになります。

それを払うお金がない、ということになりかねません。

それを防ぐためには、孫に遺言で財産を渡すとか、孫を養子にするか、なども考えておく必要がありますね。

なお、一旦精算課税贈与を選択しますと、そのもらった親や祖父母からは、110万円贈与を受けられなくなります。

ただし、精算課税の枠2,500万円までまだもらっていなければ、その残枠の範囲で、現金贈与などを受けて貯めておく、なんてことも考えられますね。

2,500万円を超えると、その超えた部分について20%贈与税を払う必要がありますが、その払った贈与税は、相続の際の相続税から引くことができます。

ですので、2,500万円を超えて贈与を受けておいても構わないということになります。

さて、今年、相続時精算課税を使って贈与しよう、という場合、もし、今年贈与した親や祖父母が亡くなってしまったら、どうなるのか? 不安になることもあるかも知れません。

その場合でも、相続時精算課税は受けることができます。
亡くなった年の翌年3月15日または、相続税の申告期限(亡くなってから10か月)のいずれか早い日までに、相続時精算課税の届出を出せばOKです。

通常の贈与は、相続年の贈与はなかったものとみなされます。

ところで、今年相続時精算課税で申告する場合には、次のような書類を取ってくる必要があります。

・受贈者の戸籍の謄本又は抄本など
・受贈者の戸籍の附票の写しなど
・贈与者の住民票の写しなど

さて、これらの書類を集めてひと安心、あとは贈与税の申告書を作ればよいかと思ったら大間違いです。次の1枚の書類が必要です。

◎「相続時精算課税選択届出書」

この1枚を忘れると、たとえば、2,500万円フルに贈与した場合は
 
(2,500万円-110万円)×50%-225万円 = 970万円!!

なんとゼロだと思った税金が、970万円もかかってくるのです。

これは、3月15日(今年は3月16日)までに出さないと、いくら言い訳を言っても覆すことができないのです。

恐ろしいですね。本当に気を付けてください。

だからこそ、申告は早くやった方がいいのです。

相続時精算課税の申告は、2月1日からできますから、もし出していないことに気がついたら、3月15日までに追加で出せばいいのですから。何事もギリギリは、よくないです。

だから当事務所でも、口を酸っぱくして、申告は早くやろう、ということを言っています。

また、計算など間違った申告を出しても、3月15日までであればもう一度出せばいいのです。期限内であれば、後に出したものが正式なものになるのです。

残り数週間、本当に注意していきましょう。

編集後記

ちょっと今日は長くなってしまいましたね。最後の方は、当法人の皆に言っているような気になってきましたね(笑)。
ということで、長くなりましたので、そろそろ出かけます。

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