相続税の障害者控除【実践!相続税対策】第164号

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Wheel chair

皆様、おはようございます。
税理士の後藤文(あや)です。

いよいよ今日から確定申告期間が開始します。

今年は、3月16日が確定申告期限です。

還付申告の場合は、すでに提出が始まっていますが、基本的にはやはり、この1ヶ月が勝負ですね。

とにかく、体を壊さぬよう頑張っていきたいと思います。

ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

相続税の障害者控除

平成27年以降発生した相続から改正される項目の中に「未成年者控除」と「障害者控除」という税額控除があります。

相続人が未成年者であったり、障害者である場合に、一定の税額控除が受けられるというものです。

今回は、このうち障害者控除についてご紹介しようと思います。

障害者控除が受けられるのは、相続や遺贈で財産を取得したときに、次の全てにあてはまる人です。

・日本国内に住所がある人
・障害者である人
・法定相続人(相続放棄がなかったとした場合の相続人)である人

上記に該当した人が、相続税を計算する際に控除できる金額は、障害の区分に応じ、次の算式で計算した金額となります。

(改正前)

イ)一般障害者(身体障害:3~6級、精神障害:2級及び3級)

6万円 × {85歳 - 相続開始時の年齢(1年未満切捨て)}

ロ)特別障害者(身体障害:1級及び2級、精神障害:1級)

 12万円 × {85歳 - 相続開始時の年齢(1年未満切捨て)}

障害者の方については、働くことが困難であったり、通院のための支出が必要であったりと、生活をしていく上で大変なことがたくさんあります。

そこで、そのような方には、税負担を少しでも軽減できるようにとの配慮から、設けられている制度です。

この控除額も、かつては70歳をベースに計算されていましたが、平均寿命の延びを考慮し、最近は85歳をベースに計算されるようになりました。

そして、今回改正になっているのが、上記計算式中の「6万円」と「12万円」の金額です。

この金額が、それぞれ次のように増額されました。

・一般障害者 6万円 → 10万円
 
・特別障害者 12万円 → 20万円

例えば、相続発生時に、50歳6カ月の一般障害者の方の場合だと

(改正後で計算)

 10万円×{85歳-50歳(1年未満切捨て)}=350万円

を、相続税額から控除することができます。

障害者が若年であったりすると、控除額が多額になることがあります。

控除額が、相続税額から控除しきれなかった場合には、控除しきれなかった金額については、その障害者の扶養義務者(配偶者、祖父母や兄弟など)の相続税額から控除することができます。

では、障害者であるというのは、いつの時点での判定になるでしょうか?

基本的には、相続開始の時点で、障害者手帳の交付を受けていることが必要です。

ただし、その時点でまだ交付を受けていない場合でも、

・相続税の申告時点で、障害者手帳の交付を受けている

 または、

・相続税の申告時点で障害者手帳を申請中であり、かつ、

・医師の診断書により、相続開始時点で手帳に記載される程度の障害があったと認められる

という状況があれば、その申告の際、障害者控除を受けることができます。

また、今回の相続以前の相続で、すでに障害者控除を受けたことがある場合や、その控除を受けたときと今回とで、障害の程度に変化がある場合には、一定の調整計算が必要となります。

障害者控除については、対策することとは違うため、他の計算項目に比べると、少し認知度が低いかもしれません。

ただ、控除しきれない金額は、扶養義務者からも控除できるなどの配慮もされているので、手帳を申請していなかったために…
となってしまうことがないよう、注意をしたいものです。

次回は、もうひとつの改正点「未成年者控除」について、ご紹介したいと思います。

編集後記

とうとう花粉の季節になってしまいました。
マスク、サングラス、そして帽子。
この3種の神器で、あと2ヶ月あまり、なんとか乗り切りたいところです。

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