小規模宅地等の特例・複数事業の場合の事業継続要件【実践!相続税対策】第153号

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皆様、おはようございます。
税理士の後藤文(あや)です。

ここにきて、衆議院の解散ムードが強くなっていますね。

早ければ来週にも解散ではと。

そうなると、例年であれば12月に発表される税制改正の大綱も、今回は、年明けになる予定だそうです。

ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

小規模宅地等の特例・複数事業の場合の事業継続要件

来年から、相続税が増税されるため、小規模宅地等の評価減についても、さらに関心が高まっています。

今回は、小規模宅地等の評価減のうち、特定同族会社事業用宅地等の適用に関して、書いていきたいと思います。

特定同族会社事業用宅地等とは、相続が発生する前に特定同族会社の事業用(不動産貸付業を除く)に、供されていた宅地等をいいます。

特定同族会社というと何だか難しそうですが、通常の同族会社と考えておいて構いません。

その同族会社の役員である被相続人(亡くなられた方)の親族が、相続によりその宅地等を取得して、申告期限までその宅地等を所有し、

かつ、「事業を継続」している場合には、特定同族会社事業用宅地等として、400m2まで80%もの評価減を受けることができます。

今日は、その要件の1つである「事業継続要件」について、次の事例で考えていきましょう。

相続が発生する直前において、被相続人が50%以上を出資していたA社が、被相続人の所有する建物およびその敷地の上で、小売業および不動産貸付業を行っていました。

もちろん、A社は被相続人に家賃を払っています。

被相続人の死亡により、A社の役員である長男Bは、その建物および敷地を取得し、会社の経営を承継しました。

しかし、相続発生後、長男Bは、小売業を廃業してしまい、不動産貸付業のみを継続しました(建物はその後もA社に賃貸)。

この場合、小規模宅地等の評価減の適用関係はどうなるでしょうか?

不動産貸付業は継続しているため、事業継続要件を満たすのでは・・・と思われがちですが、先述のとおり、特定同族会社の事業には、不動産貸付業が含まれていません。

小売業は、申告期限まで継続しなかったため、特定同族会社事業用宅地等の、80%評価減は受けられないことになってしまいます。

10ヶ月の申告期限まで、小売業を継続していれば、80%もの評価減を受けられたのに、大変もったいないことになってしまいます。

ただし、A社に不動産を賃貸していることは継続していますので貸付事業用として、200m2まで50%の評価減は、受けることができます。

廃業した小売店部分についても、廃業後引き続きA社に賃貸をしているのであれば、貸付事業用として50%の評価減は受けることが可能です。

ただし、事業用に比べれば、面積も評価減の割合も減ってしまいますね...。

今回は、小売業と不動産貸付業が混在する場合の事業継続要件について見てきましたが、小規模宅地等の評価減の適用判定は、とても複雑です。

事業の継続、所有の継続の有無等で、適用の可否、評価減の割合が異なってきます。

小規模宅地等の評価減は、根本的な考え方がとても大事な規定です。

常に原点からスタートして判断することが必要です。

編集後記

エボラ出血熱への感染が、世界中で大きな問題となっていますね。

ずっと遠くの出来事のように思っていましたが、先日から何度か日本でもエボラの疑い・・・というニュースが。

そして、検査のため患者さんが搬送された病院が、なんと自分もよく行く病院で、二度ビックリ。

一気に身近な出来事として感じるようになりました。

ただ、日々満員電車にゆられる都会の生活の中で、何をどう注意すればよいのか、難しいところですね。

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