種類株式を活用した事業承継(属人的株式)【実践!相続税対策】第141号

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皆様、おはようございます。。
資産税チームの高橋貴輝です。

皆様、犬税ってご存知でしょうか?
 
大阪府にある、泉佐野市というところが、糞の清掃費用などを捻出するため、検討していたのですが、先月末、徴収コストなどを検討した結果、断念したそうです。

マンガみたいな話だと思っていたら、ドイツなどでは実際にあるようで、日本でも30年ぐらい前までは、あったそうです。

面白いニュースだったので、ご紹介してみました。

ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

種類株式を活用した事業承継(属人的株式)

今回も、私高橋が担当させていただく回では、種類株式を活用した事業承継対策について、お話をさせていただきます。

今回は、「属人的株式」についてです。

ここ数回、無議決権株式や黄金株など、かなり強力な支配力を持った種類株式をご紹介しました。

今回ご紹介する属人的株式は、さらに強力な力を持ったものといえます。

具体的には、定款に定めることで、”株主ごとに”異なる取り扱いをすることができる、というものです。

たとえばある会社の株を50%ずつ持っている株主Aさん、Bさんがいたとします。

この場合、当然株主総会での議決権も、もらえる配当の金額も、半分ずつです。

ところが、会社法では定款で、「議決権は100%Aさんが持ち、配当は100%Bさんに払う。」など、株主ごとに異なる扱いを定めることができるのです。

これを属人的株式と呼んでいます。

ポイントは、人ごとに直接「Aさんは○○」、「Bさんは××」と指定できることです。

したがって、たとえばAさんが、その株式をCさんに譲渡したとしても、Cさんが同じように議決権を100%行使することはできないのです。

この取り扱いは、旧商法時代から、有限会社には認められていた制度です。

ただし、会社法では、発行済株式のすべてが譲渡制限株式である、いわゆる「非公開会社」にのみ認められています。

それでは、具体的な事業承継への活用方法をご説明していきましょう。

たとえば、現在、社長の甲さんに、AとBという2人の子供がいたとします。
 
Aを後継者にしたい場合には、普通であれば、甲さんの株式のほとんどをAさんに相続させます。

しかし、このような場合には、Aさんの相続財産が多くなり過ぎてしまうことがあり、その場合には遺留分の問題がおこってしまいます。

このような時に、定款で「議決権は100%A」と定めてしまえば、AとBで半分ずつ相続したとしても、Aは100%の議決権を手にすることができ、経営上の問題も、遺留分の問題も発生しません。

また、生前に後継者に議決権を移転させたい場合などには、通常であれば、多額の贈与税を負担して、後継者に贈与するか、後継者が多額の資金を用意して買い取るなど、大変な思いをしなければなりません。

ところが、属人的株式を使えば、極端な話をすれば、1株だけ後継者に贈与をし、定款で「議決権は100%後継者」と定めれば、それだけで、議決権を移転できてしまいます。

残りの株式は、負担の少ない相続にしたり、従業員持ち株会など第三者へ移転したりなど、あとからゆっくり対策すればいのです。

このように、活用の仕方はいろいろと考えられます。

また、この属人的株式は、定款に定めるだけで、登記は不要であるため、比較的簡単に行うことができるというのも特徴的なところです。

つまり、とても簡単に強大な権力を保持することもできるということですね。

しかし、簡単だからと言って「○○に議決権100%」などと、安易に定めてしまうと、元に戻すことは容易ではありません。

したがって、たとえば、別の人が少なくとも黄金株は持っておくなど、牽制も検討しておく必要があるかと思います。

また、反対に、その人が突然の事故などで無くなってしまった場合には、いとも簡単に一族の支配が崩れてしまう可能性もあるため、そのあたりのリスクヘッジも十分に行う必要があります。

属人的株式は、強力であるがゆえに、リスクも大きい諸刃の剣のようなものかもしれません。

 
ご利用の際は、必ず専門家の指導の下、慎重に行うようにしてください。

編集後記

今日は、弊社のホームページ用の写真を新しくするため、写真撮影をしています。

弊社のロゴも微妙に変わるようです。(まちがい探しをするようなレベルですが)

近々更新されると思いますので、機会があれば一度ご覧ください。

→ http://www.tm-tax.com/

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