種類株式を活用した事業承継(黄金株)【実践!相続税対策】第138号

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
gd130_l

皆様、こんにちは。
資産税チームの高橋貴輝です。

来年から、相続税の大幅増税が開始されますね。
一般的な認知度も高く、一般社団法人信託協会というところが行った調査によると、約半数の方が認知しているようです。

しかし、この大ニュースの影に隠れて、いまいち存在感がないのが”贈与税の緩和”です。

平成27年1月1日からは、20歳以上の方ならば父母や祖父母からの贈与は、5%~10%税率が安くなります。(ただし、年間4,500万円超の贈与については、5%引き上げとなります。)

同調査でも認知度は、3割弱しかなかったようですが、皆様はご存じでしたでしょうか?

今後は、以前にも増して、生前贈与の重要性が高まってくるということになりますね。

ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

種類株式を活用した事業承継(黄金株)

今回も、私高橋が担当させていただく回では、種類株式を活用した事業承継対策についてのお話をさせていただきます。

今回は、「黄金株」についてです。

黄金株というのは、第132号でも簡単にご説明しましたが、国連の常任理事国のような拒否権のついた株式のことです。

つまり、黄金株を持った株主が「NO」と言ったことに関しては会社は実行できないということになります。

したがって、何でもかんでも一人で勝手に決めることができるというものではありません。(あくまで「NO」というだけです。)

ここで、黄金株の定義をもう少し正確にお話していきましょう。

会社法の規定を要約すると、黄金株(拒否権付株式)とは…

「定款で定めた事項については、株主総会(取締役会)の決議の他に、黄金株の株主による株主総会の決議を必要とする株式」

ということになります。

少し難しいですが、ポイントは次の通りです。

・株主総会だけでなく、取締役会の決議事項についても拒否権があるため、より細かい事項についても、拒否権がある。

・拒否権を与える事項は、定款で個別に定める必要がある。
 
・黄金株の株主による株主総会を別途開くということなので、複数人いる場合は、そこで、持ち株数に応じた決議が必要。(つまり、一人でも反対すればいいというわけではない。)

では、この黄金株は、具体的に事業承継にどのように活用していけばいいのでしょうか?

例えば、先代社長が会長などに就任し、事業承継後も後継者の補佐をするなど、ある程度の影響力を保持しておきたい場合などにこの黄金株は最適です。

上記の通り、黄金株は、あくまで拒否権です。

なので、ご隠居様が何でもかんでも決めるわけではなく、あくまで経営は後継者に任せた上で、万が一後継者が暴走した場合は、水戸黄門の印籠のごとく拒否権を発動するというわけですね。

また、この黄金株を後継者が取得するという方法もよいかと思います。

前回私が担当した第135号では、「無議決権かつ配当優先」の株式のお話をしましたが、これの代わりに、黄金株を使うというものです。

上記と比べ、後継者の支配としては拒否権にとどまりますが、その後の配当コストを抑えることができます。

したがって、相続税などの移転コスト、その後の配当コスト、従業員持ち株会の運営、後継者以外の相続人の遺留分、後継者の支配の度合いなどの状況を考えて、選択肢の一つとして考えてみるのもよいでしょう。

以上が、黄金株の活用方法です。
 
通常は、企業の敵対的買収の防止などに使われることが多い黄金株ですが、事業承継においても十分活用できるものですので、事業承継をお考えの際は、ぜひ検討してみてください。

編集後記

先日、社内のレイアウト変更をしました。

壁紙も張り替えられ、新鮮な気分で仕事ができます。会議室も大分立派になりました。

弊社では、相続税に関する無料相談も行っておりますので、キレイな会議室を見に、ぜひ一度ご来社いただければ幸いです。

メルマガ【実践!相続税対策】登録はコチラ
http://www.mag2.com/m/0001306693.html