土地の無償返還に関する届出書【実践!相続税対策】第133号

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
Apartment

皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

ワールドカップやってますね!
私はそれよりも、このメルマガを書かなくてはいけないので経過を気にしつつ、書いてます。

ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

土地の無償返還に関する届出書

昨今、不動産の賃貸業を、法人化しようという流れが非常に多くなってきていますね。

1つには、来年から相続税が大幅に上がりますので、その対策として。

また、もう1つには、法人税の税率引下げ方針が明確になってきたこと。数年で20%台になる、ということで、来年から最高税率が上がる所得税と、差が出てくることが明らかになってきたから、

ということが背景にあるのでしょうね。

確かに、相続税や所得課税、あるいは消費税などのことも考えると、流れは「法人化による賃貸経営」にあると思います。

法人化した方が、税金的に得になることが多いからです。

法人化していく時に、注意しなければいけないのが、上記に掲げた「土地の無償返還に関する届出書」です。

これは一体何か?一般的には、意味がよくわからないですよね?

これは、個人と法人の借地権の問題 に関する届出です。

と言っても、まだよくわからないと思いますが...。

個人の賃貸業を法人化する場合、一般的には法人を設立して、建物だけを法人に移すことが多いですね。

移す方法は、基本的には譲渡ということになります。

個人が法人に売るわけですね。

売却価格は、基本的には時価で行わなければなりませんから、法人に土地も売ると、かなりの高額になってしまうことが多いのです。

そうなると、個人の土地は相続した土地が多いですから、かなりの売却益が出てしまいます。

相続した土地の取得価格は、その前の代、あるいはもっと前の代の方が取得した価格を、引き継ぐことになっています。

正直、前の代(父親など)や、もっと前の代の方が、いくらで買ったかなどは、ほとんどわからないか、今の時価に比べたら極端に安い価格でしょう。

その場合には、売った価格の5%を、買った価格としてよい、という規定があります。

それでも5%ですから、95%が売却益!ということになります。

これに20%の譲渡税がかかるのですから、かなりの税金になります。自分の会社に不動産を移すだけなのに...。

ということで、法人化する時は、土地は個人所有のまま移さず、建物だけを法人に移す、ということが行われます。

建物さえ持っていれば、家賃は全額法人に入るわけですから、法人が土地を持つ必要はないのです。

建物だけの売却であれば、売却益もほぼ発生しませんので。

ただし、法人は個人に対して、地代を払わなくてはいけませんね。土地を使っているわけですから。

そこで問題になるのが、借地権です。

普通に考えて、もし第三者であれば、建物だけ簿価で譲渡して地主は安い地代だけもらう...ということはありませんね。

建物を譲渡すれば、土地は使えなくなってしまうのですから、それを安い地代だけもらって、満足する人はいないと思います。

相手が自分の会社だから、できることなのです。

普通であれば、土地を使わせる権利に対して、何らかのまとまったお金をもらいますよね。それが借地権代です。

借地権は、土地を借地権と底地に分けると、借地権の割合の方が高いことが多いのです。特に都市部は。土地の利用価値が高い、ということです。

借地権の割合は、路線価とともに、国税庁が決めていますが、60%、70%くらいが多いですね。東京の住宅地などは。

ですから、本来であれば、家を売るということは、同時に借地権も設定する必要があり、借地権代として、土地の時価の60%・70%のお金を、地主さんに払う必要があります。

自分の会社なので、借地権代は払わない、ということにすると、

その借地権代分を、会社に贈与した、ということになってしまいます。これがいわゆる「借地権の認定課税」ということです。

個人は借地権を法人に譲渡して、そのお金を法人に贈与した
⇒譲渡税の課税

法人は借地権の贈与を受けた
⇒受贈益に課税

というようなことが、行われてしまうのです。何もしないと...

大変長くなってしまいましたが、ということで、

「土地の無償返還に関する届出書」が登場してくるわけですね。

これは、

・個人は、法人に建物を譲渡するが、借地権は譲渡していない

・土地は、地主である個人が100%所有している

・法人は、借地権としての財産価値は持っていない

・法人は、将来、個人に無償で土地を返還する

ということを、約束して税務署に届出をするのです。

これにより、「借地権の認定課税」は行われない、ということになり、安心して、建物を法人に譲渡することができます。

そして、税務署にとって重要なのは、個人の相続が起こった場合、

この土地の評価は、借地権価額を控除せず、自用地として評価するということです。税務署としては、相続財産をしっかり把握して、相続税のもれをなくしたいのです。

ちょっと長くなりましたので、この辺にしますが、これについてはまだまだ補足することが、たくさんあります。それについては、また、再来週お話します。

もっと早く知りたい、という方は、編集後記にあるセミナーに来ていただいたらと思います。お問合せください。

なお、「土地の無償返還に関する届出書」は、下記国税庁のHPに載っています。参考までに確認してみてはいかがでしょうか?

⇒ http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/pdf2/123.pdf

編集後記

今週金曜日午後は、京王線明大前で、ある不動産会社の管理オーナー様向けに、「法人化による賃貸経営」のセミナーをやります。

法人化によるメリットやデメリット、具体的に法人化していく時にどのような手順で、何をどうやっていったら良いのか、具体的なやり方をお話をします。

これを書いている内に、どうやら負けてしまったようですね...残念!!

メルマガ【実践!相続税対策】登録はコチラ
http://www.mag2.com/m/0001306693.html

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る