代償分割と譲渡所得税【実践!相続税対策】第123号

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
Gift

皆様、こんにちは。
資産税チームの高橋貴輝です。

いよいよ消費税が増税となりました。

私どものように会計事務所に勤めていると、生活費の負担増よりも、実務的な対応の方が気になってしまいます。

弊社でも、先日社内研修で、消費税増税の論点の最終確認を行いました。

会社としての体制は万全ですので、後は担当者一人一人が注意深く仕事をしていくだけですね。

ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

代償分割と譲渡所得税

第120号で、相続した財産を売却する場合、遺産分割方法として代償分割を採用するよりも、換価分割を採用した方が譲渡所得税が安くなる、というお話をさせていただきました。

代償分割とは、例えば、相続人A、B、Cがいた場合、時価9,000万円の不動産を、Aが単独で取得する代わりに、B、Cに対しては、Aから代わりの財産(代償財産といいます)を3,000万円ずつ渡す、

という方法で遺産分割を行うことです。

この時、Aが6,000万円を持っていない場合には、せっかく相続した不動産ですが、これを売却して、その売却代金を代償財産として渡すしかありません。

第120号では、このような場合を前提にお話をさせていただきましたが、もしAに十分な財産があった場合は、わざわざ相続した不動産を売却しなくとも、自分の持っている財産を代償財産として渡すこともできます。

たとえば、Aに元々持っていた不動産があれば、これをB、Cに渡してあげてもいいのです。

そこで、今回はこのような場合を前提に、代償分割と譲渡所得税について、さらにご注意頂きたい点をご説明させていただきたいと思います。

とは言っても、今回の話には、何かを売却したという話は、一切出てきていません。

では、一体何に対して課税されるのかといいますと、「自分の不動産をB、Cに渡したこと」に対してです。

A自身は、売却などしていないので、当然代金などもらっていませんし、「売却益」も当然出ていません。

これに対して、譲渡所得税が課税されてしまうというのは、どういうことなのでしょうか?

税務上は、次のように考えます。

まず、代償分割を行った場合は、次の取引を同時に行ったことになります。

1.不動産をAが単独で相続する。

2.代わりに、B、Cに対して代償財産を渡す債務が発生する。

3.Aが自分の不動産をB、Cに渡し、2の債務が消滅する。

つまり、「2」では、AはB、Cに対して借金をしたのと同じことになります。
 
さらに、「3」で不動産を渡すことにより、その借金を返済したということです。

また、さらに「3」についてもう少し深く考えると、次の取引を同時に行っているのと、同じこととなります。

ア.Aの不動産をB、Cに対して、現金で売却した。

イ.その現金で、そのまま「2」の借金を返済した。

いかがでしょうか?
 
このように考えると、上記アで「売却」をしていることになりますね。

理屈では理解できても、なかなか納得いかない話ではありますが、税務上は、本当にこのように考え、譲渡所得税が課税されてしまうので、代償分割を行う際は、十分にご注意ください。

ただし、代償財産が現金であれば、譲渡所得税が課税されることはありませんので、できるだけ現金のやり取りをおすすめいたします。

編集後記

消費税の増税と同時に、先日「笑っていいとも」が終わってしまいましたね…。

私は、「笑っていいとも」と同い年なので、少しさびしい気がします。

メルマガ【実践!相続税対策】登録はコチラ
http://www.mag2.com/m/0001306693.html

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る