遺言とは異なる遺産分割をした場合【実践!相続税対策】第105号

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皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。

今週も引き続き遺言をテーマでいきたいと思います。
 
ということで、本日も「実践!相続税対策」行ってみましょう。

遺言とは異なる遺産分割をした場合

相続が発生した場合において、遺言書がある場合は、まずはその遺言に基づいて相続が行われることになります。

これが原則ではありますが、それでは不都合な場合もあります。

たとえば、相続人が、配偶者、長男、次男、長女の4人である場合において、遺言内容が生前父が最も可愛がっていた次男にほとんどの財産が集中してしまうような場合です。

長男は、父の事業を継ぐため生前に株式の贈与をかなり受けていたものの、やはり相続でほとんどもらうものがないのは納得できかねるでしょう。

また、税金的にも、配偶者が法定相続分あるいは1億6,000万円まで相続する分は、相続税がかからないところ、ほとんど次男にいくのでは、相続税も高くなってしまいます。

そこで、次男も了承して、遺言書の内容によらず、遺産分割協議で、ほぼ法定相続分どおり、配偶者1/2、子たちは1/6ずつ相続したとします。

この場合、遺言の効力は、父の死亡によって発生することからすれば、相続発生と同時にほとんどの遺産は次男に帰属していることになります。

その後、遺言と異なる遺産分割協議をしたとすると、それは相続人間の贈与になってしまうのでは、という疑問も湧いてきます。

そうなると、次男に相続税が課税された後、各相続人に贈与税が課税されるという、ダブルパンチにもなりかねません。

しかし実際には、そのようなことにはなりませんので、ご安心ください。

この場合には、次男は遺贈を放棄したことになり、その結果当初から遺言がなかったことになり、一旦次男に帰属した財産が遺産に戻ることになります。

その遺産を対象に、遺産分割協議が行われたことになります。

したがって、通常の遺産分割協議と何ら変わることはないのです。

また、それにより配偶者が取得した財産については、1/2あるいは1億6,000万円までは、配偶者の税額軽減により相続税はかからないことになります。

なお、これを遺留分の減殺請求があった、と見るのでは、という疑問もあるかも知れません。

しかし、次男は遺言を承認した後に、他の相続人から遺留分の減殺請求があったというわけではないので、これには該当しないでしょう。

以上、遺言があったとしても、相続人全員の了解のもと、遺産分割協議が行われるのであれば、そちらが有効になるということです。

編集後記

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