限定承認の場合の税務【実践!相続税対策】第102号

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Hands, Gift

皆様、こんにちは。
資産税チームの高橋貴輝です。

弊社では、提携先の会社様よりご依頼いただいて相続税に関するセミナーや個別相談会を、開催させて頂いております。

先日のセミナーにも、大変多くの方にお越しいただきました。

やはり、このところ相続に対する関心が高まっているようで、それを肌で実感することが出来ました。

皆様も、ご興味がおありでしたら、ぜひ一度お越しください!

ということで、本日も「実践!相続税対策」よろしくお願いいたします。

限定承認の場合の税務

前々回、私が担当させていただきました、第100号では主に限定承認をする場合の注意点を、ご説明させていただきました。

限定承認とは、相続にあたり、承継した財産の金額を限度として、債務を引継ぐ方法でしたね。

財産よりも多い債務は、相続しない、ということです。

今回は、その限定承認をした場合、税務上どのように取り扱われるのかのお話を、させていただきたいと思います。

限定承認といえども、相続であることには変わりありませんので、「相続人」に対して「相続税」が、課税されることとなります。

しかし、相続税額の計算では、財産の金額から債務の金額を差し引いて計算しますので、限定承認の場合は、結果的に相続税は課税されない場合がほとんどです。

普通に考えれば、相続に関するお話ですので、これで終わりですが、安心してはいけません。

本当に怖いのは、これからです。

実は、限定承認をした場合には、「被相続人」(亡くなった方)に対して、「譲渡所得税」が課税されてしまうのです。

なぜ、課税されてしまうのでしょうか?

限定承認をした場合、相続人はその相続した財産を売却して、その売却金額を、債務の返済に充てることが、考えられます。

この場合、通常であれば「相続人」に対して「譲渡所得税」が課税されます。

これならば話は分かりますね。

しかし、よく考えてみて下さい。この売却代金は全額債務の返済に充てられます。

したがって、相続人の手元にはお金が残らず、なんら利益を受けていないこととなります。

このような状態で、「相続人」に対して「譲渡所得税」を課税してしまうのは、かなり酷な話です。

そこで相続時に、「被相続人」から譲渡があったことにすることにより、「相続人」はその財産を時価で取得したことになります。

したがって、「相続人」がその財産をすぐに売ったとしても、ほとんど売却益はないでしょうから、「譲渡所得税」はかからない、ということになります。

いわば、「相続人」救済のための制度、とも言えるわけです。

では、「被相続人」にかかる「譲渡所得税」は、既に「被相続人」はいないわけですから、「相続人」が払わなければいけないのでしょうか?

基本的には、そのとおりです。

「被相続人」に対する「譲渡所得税」は、死亡から4カ月以内に
「相続人」が、準確定申告をして、納付する必要があります。

しかし、この「譲渡所得税」も「被相続人」の債務であることには、変わりありません。

「相続人」は、限定承認をしていますので、他の債務とあわせて相続財産の範囲までしか、納付する必要はないのです。

結果として、「被相続人」に対する「譲渡所得税」は、納付する必要がない、という可能性が高いのです。

ただし、上記のような課税があるということで、限定承認をした場合には、「譲渡所得税」の準確定申告が必要である、ということを、覚えておいてください。

以上となります。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

編集後記

この原稿は、10月15日に書いているのですが、先週までは10月だというのに、まだ残暑が続いていましたね。
 
今日は、少し肌寒い感じですが、私は秋が一番好きな季節なので、本格的な空きが待ち遠しい限りです。

明日は台風だそうで、ちゃんと出勤出来るのか心配です…

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