不動産の売却益と国民健康保険料の関係【不動産・税金相談室】

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Q:自宅を売却したので、今回、確定申告を行いました。売却益は2,500万円でしたが、居住用不動産の3,000万円特別控除の適用があり、所得税等は0円でした。
この売却益は、国民健康保険料に何か影響はしますでしょうか?なお、年齢は68歳で世帯主、公的年金しか収入はありません。

A:まず、国民健康保険の保険料は、医療分保険料、後期高齢者支援金分保険料、介護分保険料の合計からなります。国民健康保険の保険料を計算する際に、それぞれ、所得割額、資産割額、均等割額、平等割額の組み合わせで計算されます。

組み合わせ内容や料率は各自治体によって変わってきますが、不動産を売却したことに伴い、所得割額に影響がでてきます。

所得割額の計算ですが、その世帯の所得に応じで算定されるのですが、「総所得金額等-基礎控除額(33万円)×保険料率」で計算されます。

不動産を売却された場合、総所得金額等が増加する可能性があります。

総所得金額等とは、簡単にいうと、年金収入から公的年金等特別控除を差し引いた雑所得などの合計額に、不動産売却代金から取得費・譲渡費用を差し引いた譲渡所得などを加算した合計額をいいます。

税法上の総所得金額等とは、譲渡所得に関していえば、売却益である2,500万円で計算されることになります。3,000万円特別控除前の金額です。

なお、税法上の総所得金額等を使用する主な場面は、医療費控除、寄付金控除の限度額計算、寡婦(夫)控除の適用判定などです。

しかし、国民健康保険の保険料算定上は、総所得金額等に含まれる不動産売却に伴う譲渡所得については、特別控除適用後の金額で計算されます。

今回は、不動産売却に伴う譲渡所得(特別控除後)が0円ですので、国民健康保険の保険料算定上も0円となり、前回と同じ水準の国民健康保険料になると思われます。

一般的には、居住用として使用していない土地や建物を売却した結果、譲渡益が生じた場合などは、国民健康保険の保険料も増加してしまうということですね。当然、特別控除後の譲渡所得金額がある場合も同じです。

また、医療費の自己負担割合について、「現役並み」に該当するか否かの判定も必要となりますが、こちらも、国民健康保険の保険料算定上使用した総所得金額等により判定します。

よって、今回は自己負担割合についても影響ないと考えられます。

今回、特別控除を使用して譲渡所得が0円だったので、国民健康保険料等については、影響ありませんでしたが、一般的には、不動産売却に伴う譲渡所得が黒字になった場合、国民健康保険の保険料や医療費の自己負担割合にも影響が及ぶ可能性があることにご留意ください。

担当:利根川

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