申告期限までに売買契約を結んだ貸付事業用宅地等 【不動産・税金相談室】

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Q 相続により、アパートとその敷地を取得することになりましたが、この物件を売却したいと考えています。
相続税の申告においては、この宅地について小規模宅地の特例(評価減)を使いたいと思います。

たとえば、申告期限前に売買契約を締結し、申告期限後に引き渡しをした場合でも、小規模宅地の特例は使えますでしょうか?

A 被相続人の賃貸用建物の敷地について、小規模宅地の特例を使うためには、主に「所有要件」と「事業継続要件」を満たす必要があります。

この所有要件と事業継続要件は、簡単に言うと、下記のとおりです。

○ 被相続人が行っていた不動産賃貸業に係る宅地を相続した親族

○ 相続開始時から申告期限までその宅地を保有し、引き続きその賃貸事業を継続していること

取得した相続人が、申告期限まで、その宅地を保有し、不動産賃貸業を継続して行っていれば、小規模宅地の特例要件を満たすということです。

なお、この貸付事業用宅地を評価減できる割合は、当該宅地の相続税評価額の50%(面積は200m2まで)となります。

不動産売買においては、売りたい時にいい条件で買いたい人が見つかるかがポイントだと思います。

また、土地の売買においては、時間を要することも考えられます。

よって、申告期限前に買い手が見つかれば相続開始時から申告期限までの間に売買契約を締結し申告期限後に引渡しをするケースは出てくるでしょう。

申告期限までに売買契約を締結するということは、上記の保有要件を満たさないのではないかと思われます。

通常の不動産取引の慣例としては、売買契約時に手付金を支払い、引渡し時に残金を支払った上で、所有権の移転登記をすることとなります。

不動産の譲渡をした日は、原則的にはこの残金を支払って当該不動産を引渡した日となります。

つまり、不動産の引渡日が申告期限後であれば申告期限までの「所有要件」を満たしていることになります。

所有要件を満たした上で、申告期限まで不動産賃貸業を行っているのであれば、小規模宅地の特例を使えることになります。

ただし、このようなケースは、個々の事実認定の問題も絡んでくるため事前に必ず専門家に相談ください。

《担当:利根川》

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