相続税の申告前に相続財産を譲渡した場合【不動産・税金相談室】

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Q 先日亡くなった父が所有していた底地(130m2)を、借主が1,200万円で買ってくれることになりました。相続では、息子である私が取得する予定ですが、相続税の申告期限前に売買契約が成立しそうです。

この場合の相続と譲渡の申告は、どのようになるのでしょうか。

他にも財産があるため、相続税は発生します。また、この土地は20年以上前に父も相続で取得したものなので、取得費もわかりません。

A ご質問の場合、相続税と譲渡にかかる所得税については、別に考えるのがよいでしょう。

まず、相続税については、お父様が亡くなった日の翌日から10ヵ月以内に相続税の申告・納税が必要です。

相続税については、譲渡する底地の評価額は、お父様が亡くなられた日の時価で評価します。
この場合の土地の時価は、路線価方式か倍率方式で評価します。

ただし、亡くなった日の相続税評価額よりも低い価格で売却した場合は、その売却価格をもって評価額とすることも考えられます。
これは取引価格による時価です。

また、貸宅地(底地)の場合、小規模宅地等の特例により50%の評価減の対象になりますが、今回の場合は、申告期限まで貸付事業および所有を継続しないので、この適用は受けることができません。

次に、譲渡所得税についてです。
所得税は、譲渡した翌年の2月16日から3月15日までの間に申告・納税します。

基本的な譲渡所得税の計算は、売却価格から取得費や譲渡費用などを引いた金額に対して税率を乗じます。
取得費が不明な場合は、売却価格の5%を取得費とすることができます。

今回の場合、この売却価格から控除できる金額に、相続税の取得費加算という特例が適用できます。

相続税の取得費加算とは、相続した財産を相続があった日から3年10ヵ月以内に売却した場合、相続税として支払った金額の一部を、譲渡所得の計算上、取得費に加算することができるというものです。

この相続税の取得費加算の特例の適用を受ける場合は、必ず確定申告をする必要があります。
その際には、相続税申告書の写しが必要となりますので、忘れずに添付しましょう。

仮に、所得税の申告期限が、相続税の申告期限より先にきてしまう場合は、相続税の取得費加算の適用をせずに、期限内に確定申告をしておき、相続税の申告書を提出した後に、所得税の更正の請求をすることによって、税金が還付されます。

《担当:宮田》

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