財産分与により取得した不動産を売却した場合 【不動産・税金相談室】

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Q 今から約15年前に離婚をし、その際、財産分与という形で不動産を取得しました。
このたび、その不動産を売却することになったのですが譲渡所得はどのように計算されるのでしょうか?

A 譲渡に係る所得金額は、基本的に下記の算式に基づき計算されます。

譲渡所得=譲渡収入-(取得費+譲渡費用)-特別控除額

財産分与により取得した不動産を売却した際に、まず先に考えなければならないことは、この不動産をいくらで購入したことにすればよいか、ということです。

つまり、譲渡収入から差し引く取得費がいくらになるか、ということです。

結論からいうと、財産分与により取得した不動産の取得費は、財産分与を受けた時の時価となります。

今回の不動産が、結婚後に購入したものであれば、その購入時の価格ではなく、離婚調停等が整った日などの時価ということです。

財産分与の時に、不動産の価額を査定等してもらい、調停書等にその金額を記載しておくか、自ら時価を調べておかなければ金額の把握はできません。

そうでなければ、売却時より15年前の不動産の時価なんてわからない、というのが一般的だと思います。

取得価額が不明の場合は、譲渡収入の5%を取得価額としてよいのですが、金額的にかなり少額になり、結果、税額が高くなるケースがほとんどです。

時価を算定する手法はいくつかありますが、資料が何も保管されていない状況で、過去の時価を算定するには、ある程度限界が出てきてしまいます。

必要最低限、財産分与年等の固定資産税課税明細書があればよいのですが、できれば、財産分与時点で専門家に相談しておきたいものですね。

最後に、この売却した不動産が自己の居住用であった場合は、一定の要件のもと、居住用財産の3,000万円特別控除などを受けることが可能です。

3,000万円以内の売却益であれば、取得価額が不明でも、税金はかからないので、無理に時価を付ける必要はないですね。
先ほどの譲渡収入の5%にすれば、問題ありません。

なお、財産分与を受けた人は、分与を受けた日にその時の時価で不動産を取得したことになるため、財産分与を受けた日を基に短期譲渡か長期譲渡になるかを判定します。

今回は、財産分与を受けた日から譲渡する年の1月1日までの所有期間が5年を超えるため、長期譲渡所得として税率20.315%で税額を計算します。

《担当:利根川》

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