契約日と引渡日が年をまたいでいる場合の取り扱い【不動産・税金相談室】

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Q 12月中に不動産の売買契約を締結しましたが、その引き渡しは来年になる見込みです。

この場合、不動産の売買は平成28年または平成29年のいずれにあったものとして、譲渡所得の申告を行えばよいのでしょうか。

A 譲渡所得の申告時期については、原則として実際に引渡しが完了した「引渡日」により判断することとされていますが、契約の効力が発生した「契約日」によることも認められています。

したがって、ご質問者にとっていずれが有利であるか等を基に判断していただいて差し支えありません。

ただし、売買の条件が整っていないにもかかわらず、売買した時期を調整する目的で「形式上」売買契約書を締結させるものであれば、その契約日に売買が成立したと認められないケースもありますから、注意が必要です。

また、いったん「引渡日」で申告したものの、税務上の有利不利等を理由に「引渡日」に訂正して再申告(修正申告等)することも認められないと考えられます。

事前に「契約日」と「引渡日」のいずれによって申告するか、よく検討しておく必要があるでしょう。

特に、ご質問のように年をまたぐケースでは、いずれの日(いずれの年)によるかによって、不動産の所有期間の判定や、各種の特例適用における判定が異なることも考えられます。

たとえば、その所有期間が5年超の「長期」であるか、5年内の「短期」であるかによって、譲渡所得に対する税率は異なってきます。
これは、譲渡した年の「1月1日時点」における所有期間により、判断することとなります。

長期に該当する場合、その税率は復興税を除いて20%(所得税15%、住民税5%)ですが、短期に該当する場合には39%(所得税30%、住民税9%)にもなり、税負担が大きく異なる結果となるのです。

長期・短期の判定や、検討している特例の要件等を考慮しながら、いずれの年に申告を行うべきか、十分ご検討ください。

なお、契約日と引渡日との選択は、売却時だけでなく取得時(購入時)においても同様に考えることとなります。

この場合、取得日は「契約日」により、譲渡日は「引渡日」によって計算することも認められますので、ぜひご参考ください。

《担当:樋口》

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