譲渡における各種の年数計算について【不動産・税金相談室】

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土地建物所有者

Q 自宅の買換えを検討しており、仮に現在の住居を譲渡した場合の税金について試算しているところですが、譲渡所得の計算や特例の判断にあたって、意外と年数の計算が多く困っています。

どのようなケースで年数計算が必要となるのか、またその計算方法について教えてください。

A ご質問のように、譲渡所得の計算や各種特例の判定等にあたって年数を用いるケースは多く、その年数によって大きく税金負担が変わることも珍しくありません。
  
譲渡にかかる税金というのは高額になりやすいことから、「年数の数え方」に誤りがあれば、その後の資金計画・ライフプランにも影響してしまうでしょう。

自宅の譲渡といった場合、たとえば、建物償却費の計算や所有期間の判定、その他特例の用件となっている年数など、いくつか年数による判断を伴うこととなります。

項目別にその年数の判断基準をご紹介いたしますので、どのような項目があるのか、また判断基準をご参考いただきたいと思います。

(1)減価償却の耐用年数

建物のように、時の経過によって価値が減少する資産については、取得費の計算上、減価償却費相当額を控除しなければなりません。

減価償却費相当額の計算上必要となる「償却率」は、資産の種類ごとに定められた耐用年数に応じて決まることとなります。

ご質問のような居住用財産の譲渡については、定められた年数に1.5倍を乗じて計算することになっています。
その際、1.5倍した年数に端数が生じた場合には、切捨てて計算します。

(2)短期譲渡・長期譲渡の判定

土地建物等を譲渡した場合、その所有期間が5年以下の短期である場合には、39%(所得税30%、住民税9%)の税率が、所有期間が5年超の長期である場合には、20%(所得税15%、住民税5%)の税率が適用されます。

この場合、短期・長期の判定にあたっては、「譲渡した年の1月1日時点」で判定することとなりますので、注意が必要です。

なお、上記税率の他、復興所得税が生じます。

(3)居住用の軽減税率の判定

所有期間10年超の居住用財産は、売却益(譲渡所得)が6,000万円までの部分について、軽減税率14%(所得税10%、住民税4%)が適用されます。

10年超の判定にあたっては、譲渡した年の1月1日時点で判断しなければなりませんので、ご注意ください。

(4)3,000万円特別控除における引越し後の期間制限

居住用財産を譲渡した場合、その売却益(譲渡所得)から3,000万円を控除することができます。

ただし、この特例の適用を受けるには、居住しなくなってから3年目の年末までに譲渡しなければなりません。

つまり、平成28年10月7日に居住しなくなった場合、3年目の年末である平成31年12月31日が、譲渡の期限となるわけです。

なお、上記(3)の軽減税率についても、3年目の年末までが期限となります。

《担当:樋口》

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