熊本地震に伴う税務上の取り扱い【不動産・税金相談室】

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Q 昨年、熊本に住む父が亡くなったため相続税の手続きを進めておりました
が、先般の熊本地震により、財産の集計・把握や納税資金の手当て等が困難になってしまいました。

また、被災した母を私達が住む東京へ一時的に避難させるなど、とても申告手続にまで手が回らない状況ですが、税制上の猶予等の措置はあるのでしょうか。

A 先日発生した熊本地震に伴い、申告・納付等の手続きが困難となった場合には、申告・納付期限の延長、税の猶予などの措置が設けられています。

東日本大震災の際にも同様の措置が取られましたが、大規模災害にあたっては国税庁長官が一定の地域を指定して申告・納付などの期限を延長することができます。

熊本地震においては、熊本県下を「地域指定」しており、この場合は指定された期日までに申告等を行えば良いこととなります(現時点ではまだ期日は指定されておりません)。

ご質問のケースでも、被相続人であるお父様の住所地が熊本県であるため、たとえ相続人であるご質問者が、東京在住であっても地域指定の対象です。

一方、仮に相続人が熊本に在住されている場合であっても、被相続人の住所地が熊本県以外である場合には、地域指定の対象外として取り扱われることとなります。

相続税は、被相続人の住所地に申告することとなりますので、相続人が熊本在住でも上記の地域指定に該当しないこととなるのです。

この場合、申告・納付等が困難な状況であれば「個別指定」の手続きを行う必要があります。

これは、地域指定の対象外となる納税者の方が、災害によって申告・納付等ができない場合に、延長の申請書を提出することにより「災害がやんだ日から2ヶ月以内」まで期限が延長されるものです。

また、これら期限延長のほかに、納税についての猶予・軽減といった措置も設けられていますので、併せてご確認いただきたいと思います。

たとえば、「被害額が全資産のおおむね20%以上」である場合には、納付期限から「1年間の納税猶予」が認められます。

あるいは、相続税を計算する「課税価格の10分の1以上の被害」があった場合には、その被害を受けた部分を控除して相続税を計算する「軽減措置」が設けられています。

いずれも申請が必要となりますので、状況が落ち着きましたら改めてご検討いただくと良いでしょう。

なお、今回の地震により「顧問税理士」が被災した場合にも期限延長が認められますので、顧問の税理士がいらっしゃればご相談してみてください。 

《担当:樋口》

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