老人ホーム入所により空き家となっていた自宅を、相続後に売却した場合【不動産・税金相談室】

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Q 平成28年度の税制改正で、相続後空き家になった自宅を売却した場合の、譲渡所得の特別控除(3,000万円控除)が創設されたとのことです。

母は現在、老人ホームに入居しており、自宅は空き家になっていますが、亡くなるまで老人ホームに入居していた場合は、この特例の適用を受けることができるのでしょうか?

A この制度の概要ですが、相続時から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、被相続人が居住の用に供していた家屋(その敷地を含む)を、相続人が取得した後に譲渡した場合、譲渡益から3,000万円を控除することができるというものです。

この規定の適用を受ける要件の1つに、「相続発生の直前に、当該家屋に、被相続人が1人で住んでいた」というものがあります。

今回、ご相談者のお母様は、自宅には住まずに、空き家になったまま老人ホームにずっと入居している見込みとのことです。このようなケースは、案外多いのではないかと思われます。

結論から言いますと、老人ホームに入居して、自宅が空き家となった場合には、相続開始直前において、お母様が居住していた家屋には該当しなくなるため、本特例の適用を受けることができません。

この制度の趣旨としては、「生活の本拠」としていた居住用財産を譲渡する場合を想定しています。

老人ホームに入居した場合には、生活の本拠が、自宅から老人ホームに移ったことになると考えられるため、相続開始直前までお母様の居住の用に供されていた家屋には該当しない、ということになります。

なお、相続税申告時における小規模宅地等の特例については、お母様が老人ホームに入居していたとしても、一定の要件を満たせば、80%評価減を受けることができます。

ただし、老人ホームに入居後に、自宅を他人に貸したり、他の親族が新たに入居している場合には、特例は受けられなくなりますので、注意が必要です。

空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例と、相続税における居住用宅地の小規模宅地等の特例とでは、考え方が少し違うということですね。 

《担当:利根川》

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