譲渡の日と取得の日【不動産・税金相談室】

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Q 今年、私が持っている不動産を売却をする契約をしましたが、そのスケジュールは以下の通りです。

 (取得) 契約日 平成22年10月01日
      引渡日 平成23年02月01日

 (譲渡) 契約日 平成27年10月10日
      引渡日 平成28年01月31日

このように、取得、譲渡ともに「契約日」と「引渡日」が年をまたがっている状況です。

(質問1)
このような場合、いつの譲渡として、いつ確定申告をすればよいのでしょうか?
 
(質問2)
また、取得を契約日として、譲渡を引渡日として考えると、保有期間が5年を超えることとなり、税率が低くなると思いますが、そのような考え方は、可能でしょうか?

A まず、結論からお答えいたします。

(質問1の答え)
平成27年の譲渡として平成28年03月15日までに申告する方法、平成28年の譲渡として平成29年03月15日までに申告する方法、いずれも可能です。

(質問2の答え)
ご質問の通りの考え方は可能です。

では、なぜこのようになるかをご説明させていただきます。

所得税法上、「取得の日」と「譲渡の日」とは、原則として「引渡日」とされていますが、納税者の選択で、「売買契約の効力発生日」とすることも可能であるとされています。
したがって、(質問1)は契約日、引渡日のいずれの方法も可能ということになります。

また、この取り扱いは、「取得の日」と「譲渡の日」のそれぞれについて、別の方法を採用することができます。
つまり、(質問2)のように「取得の日は契約日」、「譲渡の日は引渡日」とすることも、可能ということです。

したがって、ご質問者様のように、この選択で税率が異なる場合の他、10年を経過するかしないかで、「居住用財産の軽減税率」や「いわゆる9号買換え」などの特例の適用にも影響してきます。
この選択ひとつで、税額が倍以上ちがうことも十分に考えられますので、申告の際は、注意したいところです。

また、「引渡日」の判断について注意点があります。

引渡前に売買代金を全額受領(支払)した場合は、その受領日(支払日)が譲渡の日(取得の日)となるということです。
通常は、引き渡しと代金の支払いは同時に行うことが一般的ですが、念のため代金の支払日についても注意しておく必要があります。

また、「契約日」の判断についても、注意点があります。

建築中の物件を購入した場合は、「契約」⇒「完成」⇒「引渡」という取引の流れになりますが、建物が完成するまでは、「取得」とはなりませんので、ご注意ください。
この場合は、「完成日」と「引渡日」の選択となります。

このように、「取得の日」や「譲渡の日」の選択ひとつで、税額に影響が出てくることがあります。
また、一度選択したものは、後日訂正することはできませんので、ぜひ慎重に検討するようにしてください。

《担当:高橋》

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