マンション投資による節税と資金繰り【不動産・税金相談室】

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Q 前回、マンション投資による節税効果について、不動産所得が赤字になって税金が戻ってくることがあるが、決して本当の赤字ではない、というような話がありましたが、これはどういう意味でしょうか?

A マンション投資による節税効果は、「赤字なのはあくまで帳簿上であって、資金繰りはプラスになり、節税効果が発生する」ということになります。
これはどういうっことか、具体例を使ってご説明させていただきます。
 
・ 中古マンションを1,200万円で購入
・ 資金は全額銀行借入で、返済期間は30年(元金均等)
 (話を簡単にするため、利息については考慮しないものとします。)

このような場合、購入代金は30年に分けて返済していくため、1年あたりの返済額は40万円となります。
これが「資金繰り」のお話です。

これに対して、「帳簿上」の計算はどうなるのでしょうか?

「帳簿上」この購入金額は、実際の借入金の返済額とは別に、減価償却費という形で、必要経費に算入していくこととなります。
減価償却とは、購入金額1,200万円を長期間に分けて経費化していく計算方法で、その期間は中古資産の場合は短くなります。

期間が短くなれば当然、1年あたりに計上する経費の金額も大きくなることとなりますが、たとえば、その期間が20年だった場合、1年あたり60万円が必要経費として計上されることとなります。

つまり、「資金繰り」では40万円の支出しかないのに、「帳簿上」は60万円の経費が計上できるということです。
この差額20万円により、「資金繰り」はプラスだが、「帳簿上」は赤字あるいは損益が少なくなる、という状況が生まれるわけですね。
  
しかし、このような話が、未来永劫続くのでしょうか?
もう一度よく考えてみると、この差額に20万円は、返済期間よりも減価償却の期間の方が短かったために発生したものです。
元となる1,200万円という数字は同じです。

つまり、減価償却は、20年後には終了し、残りの10年は借入金の返済という「資金繰りのマイナス」だけが残り、反対に「帳簿上は黒字」となり、利益が増え、税負担が増えてしまうという事態が発生してしまいます。
したがって、長期的に考えれば、「資金繰り」=「帳簿上の経費」(つまり1,200万円)となるわけです。

では、20年目以降は税金を払い続けていかなければならないのか、ということになりますが、次のような方法も考えられます。
それは、「20年たったら売却をする」ということです。
つまり、節税効果のある期間だけ保有し、なくなったら売ってしまうということです。

ただし、売却すれば当然、「譲渡所得税」が課税されます。
しかし、譲渡所得税の税率は、住民税も合わせて20%という比較的低い税率で固定されていますので、所得が高く、税率の高い方にとってはこの方法により、その税率の差の分だけ節税効果が発生することになります。

したがって、不動産投資をする場合は、給与から天引きされた所得税の微々たる還付の可能性だけを期待するのではなく、「投資による黒字」という本来の目的を見失わないことが何よりも大切です。

《担当:高橋》

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