親の土地に家を建てる場合の地代【不動産・税金相談室】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
相続

Q 夫婦共働きで、今まで賃貸マンションに住んでいましたが、この度、親の土地に家を建てて住むことになりました。
家は私たち夫婦の自己資金およびローンで建てます。現在、親はもう働いておらず、年金生活をしていますので、生活費の足しにせめて世間相場並みの地代を払おうと思います。
いくらくらいを払ったらいいのでしょうか?また、何か税金上の問題はありますか?

A 非常に身近な問題ですが、税金上はちょっと難しい話があります。
というのも、人の土地の上に家を建てるということは、借地権の問題が発生してくるからです。

たとえば、親が自分の土地に第三者に無償で家を建てさせることはありませんね?家を建てさせれば、当然、その土地は使えなくなります。
それも何十年も使えなくなるわけです。

したがって、その場合には、20年とか30年とかの契約で借地権の設定をして、その権利金として一時金をもらうはずです。契約期間が満了して延長するのであれば、借地権の更新料などももらいます。

このように土地を借りるのには、それなりのお金を払う必要があります。
それは時価の6割とか7割になるかも知れません(地域によって違います)。
 
これは親子間の土地の賃貸借であっても、基本は同じです。したがって、地代は払うけれども、借地権の一時金を払わないのであれば、その一時金の分、得したことになり、それは「贈与」である、と認定されてしまう可能性があります。これで贈与税などがかかっては、大変ですね。

これを回避するためには、多額の権利金を払うか、税務上の相当の地代である相続税評価額の6%(かなり高くなるはずです)を毎年払う必要があります。これには当然、もらった親の方にも所得税がかかりますから、両者あわせた税負担は大変なものになります。

親の空いている土地に家を建てて、多少の地代を払って、親の生活の支援もしてあげよう、という趣旨からはずい分はずれてしまうことになりますね。

ですので、実は地代は支払わない方がいいのです。地代を支払わない場合は「使用貸借」ということになります。賃貸借ではなく、タダで借りるということですね。その代わり借地借家法の保護などはない、ということになりますが、親子ですから借地人の保護などは関係ないですね。
この場合、タダで借りることについては、贈与とは扱われませんのでご安心ください。

ただし、土地には固定資産税などがかかりますから、それは子供の方で払ってあげたらよいと思います。固定資産税程度の負担を借りている方がするのは、使用貸借の範囲に入るとされています。

なお、使用貸借の場合には、子供の方には借地権は認められませんので、親の相続があった場合は、この土地は自用地(100%親のものとして)評価されることになります。

《担当:北岡》

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る