2つ以上の用途に供されている建物の耐用年数【不動産・税金相談室】

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相続

Q 地上5階、地下1階建ての、鉄筋コンクリート造りのビルを新築しました。
1階を店舗、2階から5階を事務所としてとして使用し、地階はビル全体の電気・機械室となっています。

各階とも、床面積はほぼ同じで、特殊な内部造作などはしていません。
このビルの減価償却費の計算上、耐用年数はどのように決めればよいでしょうか。

A 同一種類の減価償却資産であっても、通常はその用途により耐用年数が異なります。

建物などは、用途に応じて、次のように耐用年数が決まっています。
(※鉄筋コンクリート造りの場合)

 事務所用のもの・・・・・50年
 住宅用のもの・・・・・・47年
 店舗用・病院用のもの・・39年、等々

では、ご質問のように、同一の減価償却資産(建物)が、複数の用途(事務所・店舗)に使用されている場合、その用途に応じて、各階ごとに耐用年数を判定していくかというと、そうではありません。

建物については、用途に応じて個々に耐用年数を判定するのではなく、あくまでも建物全体の使用目的、使用状況等より勘案した、主たる用途の耐用年数を使用することになるのです。

また、地階に設けられている電気・機械室については、その建物の機能を果たすための補助的な部分であるため、こちらも建物の主たる用途の耐用年数を適用します。

したがって、ご質問の建物は、使用状況から、主として事務所用であると考えられるため、このビル全体を事務所用の耐用年数で減価償却計算を行うことになります。

例外として、建物の一部に特別な内部造作などをしている場合には、用途ごとの区分適用を認めるほうが実情に合うため、その用途ごとの耐用年数を適用することも認められています。

たとえば、鉄筋コンクリート造7階建のビルのうち、1階から6階までを事務所に使用し、7階を劇場として使用しているような場合がこれに該当します。

劇場として使用するには、ステージや客席、音響設備など、特別な内部造作が必要となるため、事務所と劇場を区分し、それぞれの耐用年数を適用することができるのです。

また、一つの建物の中に、構造の異なる部分があるような場合(鉄筋コンクリート造り3階建ての建物の上に、更に木造建物を建築し、4階建てとしたような場合)も、それぞれの構造ごとの耐用年数を適用することになります。

特に金額の大きな資産については、耐用年数の違いが所得計算に与える影響も大きくなります。
耐用年数の決定段階での判断を誤らないよう、注意してください。

《担当:後藤》

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