マイナンバー制度と相続・不動産税務【不動産・税金相談室】

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Q 最近、ニュースや新聞等で「社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)」という言葉をよく耳にします。

社会保障や税金のために、個人ごとに番号が割り振られるのだろうと漠然としたイメージはあるのですが、この制度によって相続税や不動産の税金などにも何か影響があるのでしょうか。

A 社会保障・税番号制度、いわゆる「マイナンバー制度」は、行政を効率化して国民の利便性の向上を図り、社会保障や税の給付と負担を適切にして公平性・公正性を実現することを目的としたもので、2016年1月より利用開始の予定です。

これにより、国民一人一人に12桁の個人番号が、また法人に対しては13桁の法人番号が付されることとなり、社会保障・税・災害対策の各種手続きにおいて、マイナンバーが必要となります。

一昨年(平成25年5月)成立した法律ですが、本年10月から個人番号・法人番号が通知されるということもあり、ニュースや新聞等でも目にする機会が増えているように感じます。

さて、マイナンバー制度は、手続きにおける制度のため、これによって相続や不動産税務における「評価」や「節税」といった点には、特に影響するものではありません。

しかしながら、制度の導入によって税制面でもいくつか改正されている項目がありますので、税制への影響も踏まえて確認してみましょう。

(1)特例を受けるための住民票添付が不要

相続税や所得税等の申告時に、各種の特例を受ける場合、申告書に住民票を添付しなければならないケースがあります。

たとえば「住宅ローン控除」や「居住用の3000万円控除」、「軽減税率」の適用を受ける場合、あるいは相続時の「小規模宅地等の特例」や、贈与時における「配偶者控除」など、比較的よく利用されている特例についても、住民票の添付が求められているものは少なくありません。

マイナンバー制度により、税務署がマイナンバーを確認できれば、納税者の情報を把握することができるため、住民票の添付は不要となります。
これは、28年分以降の申告または、28年以降開始する相続税から適用される見込みです。

(2)銀行等による預金情報の管理

この改正は、納税者に対する直接的な改正項目ではありませんが、納税者である預金者のマイナンバーを把握できるよう、銀行等に情報管理を求める改正内容です。

これにより、納税者の預金情報の把握が容易となるのです。

納税者自らが、あるいは相続時に、被相続人の預金情報を必要とする際に、便利になるのかもしれません。一方で、税務署にとっても預金が捕捉し易くなるわけですから、あまり気持ち良く感じない方も多いのではないかと思います。

なお、今後は戸籍情報との連携が議論されることとなりますし、不動産や法人の登記情報などとの連携も考えられます。

マイナンバー制度がどのような形で我々の生活に影響してくるのか、今後も注目していく必要がありますね。

《担当:樋口》

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