税制改正大綱 結婚・子育て資金贈与【不動産・税金相談室】

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Q 結婚・子育て資金にかかる贈与税の特例制度が設けられたと聞きましたが、どのような特例なのでしょうか。

A 昨年末に公表された平成27年度税制改正大綱により、結婚・子育て資金について、贈与税の特例制度が設けられる見込みです。

以前のメールマガジンでもご紹介したとおり、本年以降、相続税は基礎控除額の引き下げなど増税傾向であるのに対し、生前に若年層へ資産を移転するケース(生前贈与)については積極的に対策が講じられています。

平成25年度税制改正で設けられた「教育資金の一括贈与特例」も、若年層への資産移転を進める対策の1つですが、今回の平成27年度税制改正では、結婚・子育て資金についても特例制度を創設して、なお一層、資金需要の高い若年層へ資産移転を促す措置を講じているわけです。

具体的には、以下の贈与が特例制度の対象となります。

(1)対象者

直系尊属(親・祖父母)から20歳以上50歳未満の子・孫に対する結婚・子育て資金の贈与が対象となります。

(2)手続き

親・祖父母が金融機関(信託銀行、銀行、証券会社)に子・孫名義の口座を開設して結婚・子育て資金を一括拠出して贈与します。

贈与を受けた子・孫(受贈者)は、特例の適用を受けるため非課税申告書を金融機関を経由して税務署長に提出する必要があります。

また、受贈者は払い出した金銭を結婚・子育て資金に使用したことを証明する領収書等を金融機関に提出しなければなりません。

(3)非課税限度額

受贈者ごとに1,000万円が非課税となります。
ただし、結婚に際して支出する費用は300万円を限度とします。

(4)結婚・子育て資金の内容

本特例の対象となる結婚・子育て資金は、結婚費用や出産費用、育児費用など、特定の使途である必要があります。

(5)その後の手続き

受贈者が50歳に達した時に拠出額の残額がある場合には、受贈者に対して贈与税が課されます。

受贈者が50歳に達する前に亡くなった場合には、贈与税は生じません。
(贈与者が亡くなった場合には、残額が相続税の対象です。)

以上が本制度の概要となりますが、上手に使えば資金を有効に活用することができそうです。

もっとも、従前の教育資金だけでなく、この結婚・子育て資金についても、本来は相互扶助の観点から贈与税の対象となる性質のものではありません。

一括で多額の資金を渡しておきたいといったニーズや、ご家族の状況に合わせて、本制度がどれだけの効果があるのか、検討した上で実行される必要があるでしょう。

《担当:樋口》

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