遺産分割と不動産所得【不動産・税金相談室】

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Q 現在、賃貸アパートを経営していた父の相続に関して、遺産分割協議中ですが、この賃貸アパートを誰が取得するかはまだ決まっていません。
  
このような場合、取得者が決まるまでの家賃収入はどのように取り扱われるのでしょうか?ちなみに、相続人は母、私、弟の3人です。

A まず、法律上の取り扱いの前に、実際の家賃収入の振込先について、ご説明させていただきます。

遺産分割中は、家賃収入に限らず、光熱費や税金など被相続人関係の様々な入出金があるかと思います。

このようなお金を管理するためにも、一度相続人の代表の方名義で、相続財産の管理用口座を作っておくことをお勧めします。

家賃収入に関しては、賃借人さんと直接やり取りしている場合には、
そちらへ振り込んでもらうようにしましょう。

この場合、必要に応じて、その口座へ振り込んでもらう旨の同意書を相続人全員の名前で作成し、賃借人の方に提示するとよいかもしれません。

また、管理会社が一括して徴収し、管理料などを差引いて入金する方法をとっている方もいらっしゃるかと思います。

このような場合には、管理会社さんによって取り扱いは様々ですが、中には、正式に遺産分割協議が整うまでは、管理会社が預かり、遺産分割協議が整った後、その取得者に全額振り込むという方法をとる会社もあるようです。

いずれにしても、管理用口座を開設し、そこで管理することが大切です。

次に、法律上の取り扱いですが、遺産分割協議が成立した日を境に取り扱いが異なり、次のように取り扱われます。

遺産分割協議成立前 → 各相続人が法定相続分で取得
遺産分割協議成立後 → アパートの取得者が全額取得

つまり、ご質問にある、遺産分割協議中の家賃収入は、母が2分の1、子供2人は4分の1ずつ取得するということになります。

したがって、上記の通りそれぞれが、不動産所得の確定申告をすることになります。

しかし、普通は、アパートの取得者が、遺産分割前の家賃も含めて全額取得したいと思うものです。

実際に、アパートの取得者が1人で不動産所得の申告をすることも多いようですが、厳密にいうとこれは法律上は、間違いなのです。
  
しかも、他の人の家賃収入をもらったということになり、贈与税の問題が発生してきてしまいます。

しかしながら、実務上は、税務署もこれに対してあえて贈与税を課税するということはほとんどないようです。所得税もそのままのようです。

では、遺産分割協議中の家賃も含めて、アパートの取得者が全額取得したい場合、法律上正しく、かつ、税務上問題のないようにするには、どうしたらよいのでしょうか?

まず、法律に従って、各自がそれぞれ法定相続分に従って不動産所得の確定申告をしてください。

これは、どうしようもありません。
(手間はかかりますが、家賃収入が分散されるため、節税効果はあります。)

その上で、代償分割という形で、遺産分割協議中に、他の相続人が取得した分の家賃を精算すると、問題なく相続することができます。

《担当:高橋》

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