発掘費用と譲渡費用【不動産・税金相談室】

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, Excavation

Q 父から相続した農地は埋蔵文化財が確認されています。
現在、農地を宅地へ転用して売却することを検討しておりますが、宅地への開発にあたって発掘費用が生じることが判明しました。
この場合、発掘費用を売却にかかる譲渡費用に含めることはできますか。

A 発掘費用については、土地を売却する際に直接生じた費用と認められるため、譲渡費用として取り扱うこととされています。

そもそも、ご質問のような石器・土器あるいは古墳などの遺物・遺跡といった埋蔵文化財が地中に埋もれている土地を「周知の埋蔵文化財包蔵地」といい、その土地を開発等する場合には、文化財保護法により一定の制限が設けられています。  

具体的には、開発等の目的で発掘しようとする場合、事前(発掘の60日前)に文化庁長官に届出をしなければならず、また、文化財を保護する上で必要があれば発掘調査等を行うこととなります。

その際、土地が所在する自治体によって取扱いは異なりますが、その所有者が発掘費用の一部を負担しなければならないケースがあるのです。

周知の埋蔵文化財包蔵地である場合における手続きや届出方法等の詳細については割愛致しますが、税務上は、譲渡にあたって必要な諸経費が生じたものとして、譲渡費用に含めて処理するわけです。

文化庁のホームページによると、周知の埋蔵文化財包蔵地は全国で約44万箇所あり、年間8千件もの発掘調査が行われているとのことですから、案外身近な存在かもしれませんね。

ところで、このような土地を相続で取得した場合、その相続評価にあたっては、通常の土地の評価額から必要な発掘費用相当額の80%を減額することが認められた事例があります。

譲渡のケースだけでなく、相続評価についてもご注意頂きたいところです。

なお、相続発生後(相続のあったことを知った日以後)、相続税の申告期限から3年を経過する日までに相続により取得した土地を売却した場合には、納めた相続税のうち一定額を取得費に加算(取得費加算)して譲渡所得の計算をすることができますので、併せてご参考下さい。

《担当:樋口》

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