土地、建物の譲渡対価の按分方法【不動産・税金相談室】

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House, Money

Q 自宅を売却することになりました。土地、建物合わせて5,000万円で売却できましたが、税金の申告をする際、土地と建物それぞれいくらずつで売却したことになるのでしょうか?

  
A 最もポピュラーな方法としては、契約書にある消費税額から逆算する方法がありますが、今回の場合はご自宅の売却で、消費税がかかっていません
ので、使うことができません。

このような場合は、「合理的な方法により按分」していくこととなりますが、代表的な方法としては、次のようなものがあります。

1.鑑定評価額で按分する方法
2.固定資産税評価額の比で按分する方法
3.公示価格と相続税評価額を用いて、土地の「時価」を算定し、残りを建物とする方法
    
これらの方法には、それぞれ一長一短ありますので、この特性をよく理解したうえで、適切な方法を採用することがとても大切です。

ポイントは、「土地、建物それぞれの時価の比と同じ比率で分けること」です。

(参考)時価を100とした場合のイメージ。(あくまでイメージです。)

「実勢価格」(80~120)※ 売り急ぎ等を考慮した、実際の売買金額
「時価」(100)※ 売り急ぎ等の事情がない、適正な売買金額
「公示価格」(概ね100)※ 概ね時価と同等と考えられている。
「相続税評価額」(80)
「固定資産税評価額」(60~70)

まず、1についてですが、これは不動産鑑定士さんという、正に「時価」を鑑定するプロに評価をしてもらうという方法です。ただ、それなりに大きな費用がかかってしまうので、自宅の場合は通常やらないでしょう。

次に2についてですが、土地、建物それぞれについて、固定資産税評価額があると思いますが、この比率で按分するという方法です。

固定資産税評価額は、実際の金額はさておき、あくまで理論上は、時価を反映していると考えられています。

また、1のように費用がかかることもありませんので、とても優れた方法であるといえますが、一つだけ難点があります。
固定資産税評価額は、3年に1度しか更新されないのです。

つまり、更新後3年目の売却の場合は、その間に時価が変動している可能性が十分に考えられるため、ほかの方法を検討したほうがよさそうです。

3は、まず売却した土地の相続税評価額(8割水準)を計算し、付近の地価公示地の相続税評価額(路線価)と公示価格をもとに、時価(10割水準)を求めるという方法です。

少し難しいので、実際の計算は税理士さんに頼みましょう。

この方法は、1と比べると費用も安く、比較的手間も少ないですが、上記2との比較において、近年の判例などでは、2が採用されることが多いように思います。(あくまで主観的な印象ですが。)

これらの他にも、取得費算定の場合は、「建物の標準的な建築価額」という数字を用いる方法などもありますので、実際の申告の際は、税務署や税理士に個別事情を相談したうえで、適切な方法を採用してください。

《担当:高橋》