居住用とは?【不動産・税金相談室】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
jc033_72a

Q 土地や建物を売却した場合、税務上、「居住用」のものであれば、3,000万円の特別控除や、14%の軽減税率などの特例が受けられると聞きました。

この「居住用」とは具体的にどのように判断されるのでしょうか?

A 税務上、「居住用である」と判断されるためには、最低限、次のような事項に該当していることが、必要となります。

1.「実際に居住」していること
2.その家屋の「所有者」として、「居住する意思」を持っていること

「1」については、当たり前と言われれば当たり前なのですが、よく

「住民票があれば大丈夫ですよね?」

という相談を受けることがあります。

しかしながら、住民票を移しただけで、「実際に住んでいない」場合は、当然ながら「居住用」には該当しませんのでご注意ください。
(反対に住民票がなくても、実際に住んでいれば大丈夫です。)

また、「2」がとても重要なのですが、本人が「居住する(し続ける)意志を持っていなければ、「居住用」とは判定されないこととなっています。

例えば、現在空き家になっている家屋を売却する際、居住用の特例を受けるためだけに一時的に住んでみたとしても、それは「居住(し続ける)意志」があったとは言えませんので、適用を受けることはできないことになります。

  
またさらに厄介なのは、「所有者として」居住する意思が必要ということです。

実際に、国税不服審判所で争われた事例なのですが、父親が所有している家屋に、10年以上住んでいた方が、その家屋を売却することになりました。

その売却が決まったあとに、父親からその家屋の贈与を受け、半年ほど居住してから、売却しました。

この場合、半年であっても、実際に居住していたわけですから、「1」については、問題ないことになります。

ところが、「2」の「所有者としての居住の意思」が問題となってきます。
  
この場合、本人が所有者となったのは、贈与を受けた後ですが、これは、「売却が決まった後」でもあります。

この、「売却が決まった後」の居住期間については、「居住(し続ける)意志」があったとは言えない、と判断されてしまい、特例の適用を受けることができませんでした。

この際、「居住の意思」というのは、本人の申述ではなく、「客観的な事実」に基づいて判断されることとなりますので、いかに本人が「居住の意思があった」と言い張っても、通らないことになってしまいます。

以上が、「居住用」の大まかな論点となります。
  
やはり、居住用の特例は、効果が大きいだけに、「居住用」の判定は、厳格に行われていることがお分かりいただけるかと思います。

普通に自宅を売却するだけでしたら、心配いりませんが、もしこの「居住用」について、ご不安な方がいらっしゃいましたら、一度専門家にご相談いただくとよいかと思います。

以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

《担当:高橋》