相続人に行方不明者がいる場合【不動産・税金相談室】

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Q 相続が発生しましたが、相続人の中に行方不明の者がおり、遺産分割協議を進められないだけでなく、納税のために相続財産である土地を売却することもできません。

そこで、行方不明者がいる場合の対処方法や税務申告の方法について教えてください。

A 行方不明者がいる場合、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立て、それにより選任された不在者財産管理人が家庭裁判所の許可を得て、行方不明者に代わって遺産分割や売却を行うこととなります。

不在者財産管理人になるための公的資格等はありませんので、利害関係のない親族を選任するケースもありますが、適当な人がいない場合には弁護士や司法書士といった専門家を選任されることもあります。

仮に、不在者財産管理人の選任をしていない場合には、遺産分割協議が整わないこととなりますから、相続税の計算において軽減効果の大きい「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」といった特例を適用することができません。

※ 未分割の場合には相続税の申告期限までに所定の手続きを行うことにより、分割確定後に「更正の請求」をして特例を受けることも認められています。

また、ご質問のように納税のために相続財産である土地を売却したいと考えている場合であっても、未分割である土地を売却することはできず、納税資金に不足が生じる可能性もあります。

このような事態にならないために、早めに不在者財産管理人選任の手続きをされるべきでしょう。

ところで、相続税の申告や土地を売却した際の譲渡所得の申告は誰が行うべきでしょうか。

この場合、不在者財産管理人は行方不明者の法定代理人と考えられますので、不在者財産管理人が申告手続きを行って差し支えありません。

なお、行方不明から7年以上経過しており、家庭裁判所で「失踪宣告」を受けている場合には、行方不明者の子等が代襲相続人として遺産分割協議に参加することとなりますので、ご留意ください。

《担当:樋口》