取得時の資料を無くしてしまったら【不動産・税金相談室】

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Question

Q 今回、8年ほど前に購入した自宅を売却することになったのですが、購入した際の契約書や領収書を紛失してしまいました。

税務署に聞いたところ、このような場合、取得費として控除できるのは、売却代金の5%だけです、とのことでした。

何かいい方法はないでしょうか?

A 確かに、ご質問者様のように、資料を無くしてしまったばっかりに、95%部分に対してまるまる課税されてしまうというのは、あまりにも酷な話です。

このような場合は、次のように対処してみてください。

(対処法1) 相手方に聞いてみる

まず、最初に行っていただきたいのは、購入した際に仲介してくれた不動産屋さんや、可能であれば購入の相手先に連絡してみてください。

購入したのが8年前ということでしたら、もしかしたら資料が残っているかもしれません。(仲介業者さんが当時のパンフレットをもっていたらそれをもらっておいて下さい。)

(対処法2) 細かい証拠を集めて証明する

契約書や領収書以外の資料で、取得費を証明する方法です。

まず必要なのは、購入当時の預金通帳です。
これで、購入先の名前宛に振込があれば、金額の証明をすることができます。

しかし、通帳だけでは本当に不動産の取得に充てられたものかの証明にはなりませんので、例えば次のような書類で、証明する必要があります。

●住宅ローン関係の資料
●登記簿謄本の前所有者の名前や抵当権の設定金額
  
このような資料を駆使して、「不動産の購入代金として」、「○○円を支払っている」という証明をすることができれば、大丈夫です。

(対処法3) 金額を合理的に見積もる

上記の様な資料も、どうしてもそろわない場合でも、あきらめてはいけません。

実際の金額の証明ができない場合は、合理的な金額を見積もって計上することができます。

まず、土地については、「財団法人日本不動産研究所」というところが「市街地価格指数」という統計を出していますので、これを参考に、取得当時の大まかな相場として計上することができます。

また、建物部分については、所得税の申告書の手引にも記載のある、「建物の標準的な建築価額表」を使って、合理的な金額を算出します。

(参考)
今回のご質問と直接関係ありませんが、仮に賃貸用の不動産であった場合は、毎年提出している確定申告書の収支内訳書や青色申告決算書の減価償却の欄に取得価額の記載があります。

このように、たとえ契約書を無くしてしまったとしても、対処できる方法はありますので、直ちに5%としてしまうのではなく、専門家と相談しながら、上記の様な対処を取っていただければと思います。

5%の概算取得費を使うのは、基本的には、相続などで代々受け継いだ不動産などで、5%を使った方が有利な場合だけです。
  
しかしながら、このような事態を招かないためにも、不動産を購入した際は、将来の売却に備えて、資料は必ず保管しておくということが一番大切です。

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

《担当:高橋》